2012年8月8日水曜日

【クロカン道場】 PDCAサイクルを回して走ろう

僕は自分の車のサスを「職務怠慢リアサス&サービス残業フロントサス」と表現することがあります。


8年前の走行記録をみたら、もうその言葉を残していたので10年前くらいから使っている言葉ですね。


フロントはほとんど動かなかったり、操舵系の影響もあってリアの動きの方がとりやすい、テラノやビッグホーンのようなF独立懸架・Rコイルリジットの車や、前後コイルリジットのサファリ、ハチマルなどとちょうど反対の特性を持っていると思っています。


フロントがよく動き、リアはそれほど・・・というのは、70系やほぼ同じサスペンションを持っている60系ランクル、あと、チェロキーなどがそれに当たります。


まぁ、どちらが乗りやすいかとか、メカ的な優劣を言うつもりはさらさらなく、それらの車の特性を理解して、それぞれの車の性能を引き出すように考えながら経験値を積めばいいと思っています。



僕の場合は、完全にフロント偏重なサスペンションなので、ラインの狙い方はリアを重視したラインの組み方になります。







※最初からリアの2輪を接地させることを優先させた典型的な走らせ方
三点接地させ、右後ろのタイヤに荷重をかけているからこそトラクションがかかる





ロックのヒルクや、複雑なモーグルが入り乱れているヒルクライムなどでは、最後の最後でポイントでリアが押してくれず、あえなく敗退ってことがよくあります。


僕の場合は、そういう時は大体、することが決まっています。


まず、エンジンを停め、ギアを入れ、サイドブレーキをしっかり引いた状態で慎重に車からおります。

よく、ジムニー海苔の方で見かけるのですが、ヒルクの最中でエンジンかけっぱなしで車から離れる人がおられます。

いくら車が軽く、サイドブレーキが効きやすいといっても、もしあれで車が無人で動き始め、人でもひいたりしたら、裁判でも起こされたら完全に言い逃れ出来ないと思うので、辞めたほうがいいと思いますね。




ま、それはここではいいとして、僕はまず「車から離れ、自分の目で地形や車の状態を確認する」ということを始めます。


よくこの時点で、友人や先輩とおぼしき人が外から「右だ!」「左だ!」とアドバイスしたりすることがありますが、これは僕からしてみたら完全におせっかいです。


ただ、サンコイチみたいな競技で、そうすること自体が目的ってこともあるので、その場合はあしからずですが。



クロネコヤマトでTOKIOがやってるCMじゃありませんが、車に乗っていて死角になっているところは、死角じゃないところの何十倍も多いってことをまず頭に入れておくべきです。


僕の場合、ドアを外しているので、運転席で操作しながらでも頭を外に傾ける程度のアクションで右側のタイヤがどんな風に接地していて、タイヤの下や内側がどんな状態になっているのかなど確認出来るのですが、

それでも確認出来る範囲は限られてきます。


だから、自分の想像していたことではない挙動が起きた場合や、思ったように走れないとか、少しでも記憶に不安があるのなら、自分の目ですぐ確認することが先決だと思うのです。



地形や車の状態を確認し、コクピットに戻ったら次はリカバリーです。

地形の状況などが頭に入っていたら、リカバリーで失敗する率も低く抑えることが出来るでしょう。


そして、リカバリーが出来たら、改めてライン取りや、どのギアを使うか、デフロックを使うか、最初から引破することを前提に行けるところまでいくのか?などということを考えます。


要は、前回走ったことに対しての「反省」をし、何が原因で走れなかったのかを考え、「計画」を立てるわけです。


ビジネスの現場などではよく使われている言葉で、PDCA法という言葉があります。


これは、「PLAN(計画)」 ⇒ 「DO(実行)」 ⇒「CHECK(評価)」 ⇒「ACTION(改善)」 という流れをぐるぐる回すことで、業務の改善などを行うものなのですが、

これは、ダイエットでもそうですし、ビジネスの現場(営業や集客)、クロカンなどでも応用が効きますし、冷静にこのサイクルをグルグル回せるかどうか、というのが結局、クロカンを安全に楽しく、長期間、お金をかけずに続けるために必要じゃないのかと思います。



仮に先ほどの登れなかった原因が、「最後の最後でほんの少しだけ速度が足りなかった」とします。

それなら、次回のアタックでは、加速をほんの少しだけ早くしてやり、最後のポイントの速度もほんの少しだけ早くするような操作を行います。


もしこのとき、「いきなりドカン」とスピードを乗せてしまうと、当初想像していたのと全く違う挙動が起こってしまい、狙っていたラインから完全に弾き飛ばされたり、もっと悪いと車が壊れてしまうこともあります。


ですので、僕は「改善するにしてもほんの少しだけする」ってことをお勧めしますし、自分自身が走る場合も、いきなりラインを大幅に変えたり、走らせ方を変えるのではなく、

「ほんの少し変更しては、様子を見て、また次回改善していく」って走らせ方を心がけています。


当然、同じ場所で遊ぶ時間もふつーに走ることの何倍もかかることが多いですが、それはそれでヨシとしています。


もし、大勢で走らないといけないので、少しでも前に前に進まないといけないと思っているのでしたら、仕方ないかもしれませんが、

結局ソレで大事な車を壊してしまったり、貴重な練習の機会や、PDCA的なサイクルを回す走らせ方が出来ないというのであれば、走ったつもりにはなっているけど、ほとんど自分の「身」にはついていないのです。



これはクロカンにおける、上達させるための考え方ではなく、単なるテクニックなのですが、

僕が見ていて上手いと思う人は、十中八九、「ローセコ」や「ハイロー」のギアを上手く使える人です。


通常のクロカンでは大体の処で、Lowギアの1速(ローロー)を使い、なんでもない場所になったら2速(ローセコ)や、3速(ローサード)で移動します。


ですがある程度経験者になってくると、ローローでのクローリングや、ブン回すような走らせ方ではグリップが追いつかずにコブやヒルクライムなどで登りきれない状況が結構多くなるということに気がついてきます。







この写真のような、泥沼のV字の登りなどでもよくあることですが、少しでも余分にタイヤを空転させたり、デフロックを入れた瞬間にリアが谷ズレ落ちる場所を登るような場合は、

最初からLowの2速(ローセコ)や、Highの1速(ハイロー)で、高いギアで一気に加速させ、登りきった処ではエンスト寸前・・・のような状態で走り抜けるテクニックが極めて有効な時があります。


ローセコダッシュや、ハイローの使い方などはまた別の機会に動画にでも残して説明した方がわかりやすいと思いますが、ローセコダッシュも上手に使えば、車の痛みを抑える走りにつながります。



今回はローセコダッシュというテクニックの話になってしまいましたが、テクニックは膨大な数、存在します。

僕もこれは長期間この遊びをやっている中で多くの先輩にウェブの中や雑誌で教えてもらったり、クロカンの現場で実際目の前で駆使していたのを盗んだり、いろいろやってきたのですが、

これらを身につけるのは本当に楽しいことです。


ある日、突然今まで見えなかったラインが見えてきたりや新たな操作方法で抜けれたりすると「上手くなったな!」という実感が得られるからです。


ですので、まずいろんな技を身につける前に、「PDCA」のサイクルを回すことを現場でやってみてくださいね。


2012年05月12日

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