2012年8月8日水曜日

【クロカン道場】 メッキが剥がれるとき


結構、人の走りを観察するのが好きなのだが、

僕が他人の走りを特に注意してみている点がいくつかある。

つまり、これから僕が言うポイントというのが、腕のある人とそうでない人との間で差が出やすいポイントだと思っています。



■車の性能ではなく、腕の差が出やすいポイント


まず、「岩場を這っているとき」


土の上では引っかかっても強引に押せたりするのでなんとなく腕を誤魔化しやすいのだが、

岩場ではシビアにしないと車を壊したり、派手にスタックするので腕の差が出やすいポイントの1つだと思う。


・・・だからといって、初心者のうちからいきなり岩場ばかり這って練習することは、僕はお勧めしない。


車へのダメージが大きすぎるし、岩場を攻める前にやらなければいけない練習は、土の上でたくさんあるからです。



次に、「リカバリー時」


前方に車を進ませるヒルクライムなどではガンガン攻めれている人が、ヒルクライムを失敗した際にバックダウンする際に、

それまでのライン取りの良さや、操作の的確さがウソのようにオタオタしたリカバリーをする人も実際、珍しくない。


リカバリーがヘタということは、それだけ前方向へ走らせる際のバリエーションまで減らしてしまうことになるので、僕はヒルクライムだけでなく、頂上付近からのバックダウンも積極的に練習すべきだと思っています。



次に、「複雑な形状をしたV字溝を這うときなどにする微妙なライン変更をしているとき」


V字溝や、レの字溝などは、まっすぐに掘れているということはめったにないので、走りながら、右タイヤが落ち始めたらちょっと修正し、左タイヤが落ち始めたらまた修正したり・・・というふうに、頻繁にミリ単位の補正をしないといけない場合が多い。

比較的、難易度の低い地形の多いスポーツランド岡山も、例えばコースに入ってわりとすぐにある、レの字溝の下りや、モンスターV字なども条件が整うと、かなりの難易度になります。



次に、「大きめな段差の下りを下りる際のブレーキング処理」


ヒルダウンなどでエンブレをかけてブーンと下りていくことが出来るような難易度の低い地形では必要ありませんが、例えば車1台分くらいの落差のあるステアケース(段差)を下りる(落ちる)際には、

ブレーキングの腕が試される良い機会になります。

つんのめってしまうような極端に落差の大きい段差を下りる場合などでは、「どれだけ”落ち始め”で減速出来ているか」が重要になってくることがあります。


よく、何も考えずポイと下りて、前転しそうになってワーワー喜ぶ団体などがおりますが、それらを見てると、ついため息が出てしまうことがあります。


どんなに落差が大きいステアケースの下りでも、「グリップして停まることが可能なポイント」というのが絶対あります。

そのポイントを可能な限り下げるには、「限界まで進入速度を落とし、グリップしているポイントを可能な限り下までもっていく」ということが必要になってくるはずなんです。

だから、そういうステアケースに入って、すぐポンと落ちていくのは僕からしてみるとありえませんし、もしそれが競技で勝つために必要というのであれば、僕から言わせてもらうと、競技の主旨が間違っているんじゃないかと思ってしまうのです。


ここでは、そのことについて言うのはやめておいて次にいきますね。



最後に、「車を傾けた状態に(わざと)持っていったとき」


僕は、自分の車の転倒限界のおよそ80%程度の処まで使って、普段走っていると思います。

つまり、感覚的に言うと、50度傾いたらコケる処では、40度付近まではもっていく・・という感じかな?

山側のタイヤが前後ともフワフワと浮き始めるくらいの処です。



これが僕から見ても上手いと思う人は、85%からそれ以上。

普通の人は70%も出していたら良いほうじゃないかと思ったりしています。


これが結構、特に初心者の方としては「傾けることを前提にしたライン取りをする」ということは難しいと思う。

なぜなら、普段は「いかに傾けないように走らせるか」ということを無意識に考えていると思うからだ。


だから、普通の人は20~30%程度しか傾けずに走っている。

50度で転倒するキャンバーなら、25度くらいまでしか傾けない、といった感じか・・・。




ホント言えば、まだ「ウインチングの能力」とか、「現場での車の応急処置」・・・など多くあるのだが、「自走での上手さ」を見ている点でいうと、僕は上記のようなポイントを見ています。


また、あすから他人の走りを見つときにもこれらのポイントでの操作を注意深く見ておくといいかもしれません。
Posted at 2012/05/20 02:11:40 

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