General Purpose Four Wheeler (汎用型四輪駆動車)

※くれぐれも言っておきますが、私は乱狂教の信者ではありません
先日、久しぶりに近所の本屋に行ってみましたら、以前は置いてあった四駆関連の雑誌は消滅していて、ジムニー専門誌がポツンと唯一置かれてあった。
「いよいよ国内から重量級の四駆雑誌も姿を消しつつあるのか」と実感した出来事だったのですが、
逆にいえば、ジムニーが国内のクロカン四駆市場の全てをかっさらうことに成功しつつあるということで、何年かしてトヨタやニッサンは「あの時撤退しなければよかった」とか、「ニッチ市場を広げる努力をしておけばよかった」と思うんじゃないかと期待しています。
よくテレビ業界の不況の話を聞くことがありますが、アレなどもテレビ局が以前のように「ひとつのコンテンツを作っておけば全ての視聴者のニーズが満足できるだろう」という発想から脱却出来ないことが原因じゃないかと思っています。
その結果、「視聴率至上主義」が満延し、誰が見ても面白いと思えるようなチープな番組作りばかりを各局がするようになった結果、誰が見てもつまらないとしか思えないような番組ばかりが増える結果になってしまい、視聴者ばなれが進んでいるんじゃないかと思うのです。
逆にインターネットは細かいニーズを拾うことが簡単なので、より細かいニッチジャンル(隙間的な分野)にも対応ができるのでここまで伸びてきているわけです。
テレビ局の視聴率をどうやったら伸ばせれるんだって話をするつもりはないのでこれについてはココで終了させていただきますが、
車のメーカーなどはこれから「より多くのニッチなニーズをいかにして汲み取っていくか」ということが大きなテーマになるんじゃないかと思っていますし、ま た逆にソレが出来ないと某反日国家の某自動車メーカー程度に抜かれてしまうようなことに陥ってしまうんじゃないかと思うのです。
■”汎用性”というキーワード
あまり詳しいわけじゃないのですが、よく自動車メーカーなどで量産されている車では、「あれはギャランベースだ」とか、「あれはカローラベースだ」なんてことを聞くことがあります。
つまり、見た目や車種名は全く違う車も、ベアシャーシは一緒だという場合が極めて多いということだ。

カローラFF系のベアシャーシ
これに限った話は今に始まった話ではなく、随分以前からされているのだが、これはジープやランクル60、70などでも似たようなことがされている。
ジムニーは国内では基本的にホイルベースが2種類だけだが、僕の友達はインド製のロングホイルベースの幌車を持っていたし、荷台があるピックアップトラックは結構台数が日本にも入ってきている。
この中でもランクル70系は1つの型式番号の車としてはボディバリエーションがかなり突出して多く、
「ショート」は鉄屋根のバンと幌車の2つがあり、
屋根を取り外すことも可能でフロントウインドも倒すことが可能なミドルのFRPトップ。
四枚ドアのセミロングの4種類が国内では今まで発売されてきた。
海外ではさらに75と呼ばれているピックアップトラックや、二枚ドアの超ロングホイルベースなどがバリエーションとして存在している。
(40系では国内では4枚ドアは存在しないし、70系では存在する屋根が取り外し不可のハードトップも存在しない)
ジープなどもそういえば
鉄ドアで幌屋根、ミドルホイルベースの20系、
ミドルホイルベースで鉄屋根の30系、
ロングホイルベースで幌屋根の40系、
ショートホイルベースで幌屋根の50系と数多くのバリエーションが過去に存在していた。
(三菱ジープについては詳しくないので間違っていたらごめんなさい)
つまりだ。
国内メーカーも以前はこのような感じで、ユーザーのニーズによって細かくボディバリエーションを揃え、たとえニーズが変わったり家族構成が変わってもそのまま同型車種の違うホイルベースやボディ形状の車に乗り換えることも可能だったわけだ。
僕は当初、大人数で大量の荷物を積んだ、グランツーリスモ的な使い方をするためにランクル60から入ったのだが、
もしその時にランクル77のような70系の4枚ドアが存在していたならそちらを買っていたかもしれない。
もしそうなら、未だにランクル77でクロカンし続けていたかもしれないし、その当時持っていたボディパーツなどを今の70ショートに移植して使い続けていたかもしれない。
(その当時はお金がなく、市場価格が高いサファリY60系やランクル80系は買えなかった)
途中から、人を大人数乗せる必要もなくなったし、よりヘビーなクロカンがしたくなったので、軽量な70幌に乗り換え今に到るわけだが、
また四枚ドアの車が欲しくなったときは、オンロード性能や乗り心地がさらによく、それでいてランクル70系を維持することで身につけた能力をそのまま引き続き使えるランクル80系に手を出したというわけだ。
(僕がもつPZJ70幌とHZJ81Rとでは、1気筒しか違わないエンジンが搭載されているし、ハブ周りなどのメンテなども違いはほとんど無い)
あとうちにはBJ74Vもかれこれ十数年転がっているのだが、こんな感じにうちではメンテや部品の共用などの都合もあるので自然とランクルばかりが揃う結果になってしまった。
これは何も僕に限った話じゃなく、同様のようなパターンは本当に全国に多数おられる。
「一家まとめてランクル」だったり「お兄ちゃんはサファリで弟はランクル77」とか。
■史上最も安い部類に入るモータースポーツ
人によっては「よくそんなお金がありましたね」って言われることもあるのだが、以前も言ったが、エンジンやミッション、脚回りなどもほとんど壊れることがないので、別段改造でもしない限り維持するのはそんなにお金がかかるわけじゃない。
僕もこう見えて5ナンバーのインスパイア(セダン)や、フロントデフがガリガリのスターレットベースのダートラ車に乗っていた時期があるのですが、

その車1台の年間維持費で、ランクル70短とランクル74ミドルの2台が維持できるなぁと思ったことがあります。
ランクル70短に乗るようになって本格的にヘビークロカンを始めたのだが、前回も言ったようにおそらく最短でも千時間以上は、クロカンをあの車でしていると思う。
が、これまで壊れたのも脚回りが多少ポロポロ、タイヤがポロポロ、ボディがボロボロ(笑)と言った程度で、肝心なエンジンやミッションなどは今まで一度も大きなトラブルがない。
(BJ74で一度、ラジエターが割れて交換したことがある)
僕が思うに、ジムニーなどの購入価格が極端に安い車でのクロカンに続き、ランクルやサファリなどのヘビーデューティ系のクロカン車両によるクロカンは、最もお金と手間がかからないモータースポーツだと(僕は)思っています。
■ウインチングやレスキューという新たな扉
これは別にジムニーやジープ、英国車などを否定するものではないのだが、ランクルのヘビーユーザーとして思うことに、
「重量物を大量に搭載したクロカンまで含めてしまうと、ランクルやサファリなどヘビーデューティ系四駆は軽量車を凌駕する場合が多い」と思っています。
これは、本当にクロカンの一種独特で他のモータースポーツと違う点だと思うのだが、通常のモータースポーツは「より軽量な方が有利」ということに異論はほとんどないと思う。
ところが、これが「クロカン」になると話がちょっと違ってくる。
前にも書いたが、「クロカン」というものは、自走だけで語れるものじゃないことが多いし、文明的な生活圏からやや離れた僻地で行われることが多いため、
トラブル発生時の対応なども含めて語らなければいけない面が大きいからだ。
それと、「レスキュー」にスポットを当ててみても、強靭なフレームと脚回りの強度を持つ車は有利になる点が多い。

例えば、スタックした車を牽引する場合など、自車が引きづられることが多いのだが、自車がそこそこの重さがあると、別にアンカーなどを取らずに引けることも多い。
先日、スポーツランド岡山の広場の横にあるちょっとした沼地でタイヤ半分程度埋まったジムニーを牽引したが、アンカーなど取らずに簡単に引っ張れた。
たしかに、重量車で重量車を引く場合などは大苦戦することもあるが、牽引するときはアンカーになる車にも非常に大きな負担がかかる場合も多いので、シャーシや脚回りがオーバースペックと思うほど強度があることは、牽引時に精神的な余裕を持つことにもつながる。

僕の場合は、「実際に足を踏み入れる範囲を可能な限り広めたい」という理由もあるので、たとえウインチやレスキュー品を搭載したり、シャーシなどが重すぎる旧式な設計の車で自走が苦手だとしても、
自走で踏破出来ない場所が全体の「2」くらいあったとしても、
自走では絶対踏み込めない場所が「10」広がってくれる方を好みたいし、そういうクロカンが好きなので今のランクルに乗り続けているということがあります。
(もちろんこれは僕だけのコダワリの話なので、ランクルなどに乗らない人や、僕みたいなクロカン手法を採っていない人を否定するものではありませんよ)
■牽引力を補うことは比較的簡単だが積載量やシャーシなどの強靭さを補うのは不可能に近い
僕は、PZJ70幌という、ランクル70系では最も軽量な車に乗っているのだが、搭載している電動ウインチは、80系などフルサイズ(2.5tクラス)の車に載せても十分使えるサイズのものだ。
だから、どちらかというと、ボディのサイズに比べて重さにおいてはオーバースペックなウインチを搭載しているといってもいいかもしれない。
また、70幌と言っても、例えば200キロ以上重くなる77などと比べて、シャーシが補強されているとか、ホーシングが補強されている(リーフはゴツくなっている)ということがあるのだが、基本的には強度的には軽い車も重い車もそれほど違わない。
つまり、70幌などは堅牢なランクル70系の中にあって、さらにオーバースペックな色合いが強い車なのだ。
だから、「ウインチング」だけで単純に考えると、70幌はミドルやセミロングなどに比べて単純に軽さやボディサイズなどで有利になることが多い。
だが逆に、大量の荷物を牽引したり積載したままヘビークロカンをしなければいけないような状況になると立場は一転する。
僕の車にはそもそも人間は2人しか乗れないし、載せれる重さは300キロとか平気かもしれないが、スペース的な問題もあって、それほど多くの荷物は積載出来ない。
やろうと思えばトレーナーでも引っ張っていけばいいのかもしれないが、それだとクロカンでの自走での戦闘力がガタ落ちしていまう。
こんな感じで、積載量を後から増やそうとするのは実質問題不可能に近い。
これはシャーシやエンジン、ミッションなどの耐久性や堅牢性についても言えることだ。
シャーシは弱い部分を補強していくことは可能だが、エンジンやミッションなどの強度を後から増やしたいと言っても、そう簡単な話では済まない。
いっそのこと車そのものを乗り換えた方が早い。
だが、「牽引力を増やす」ということは比較的簡単な場合が多い。
ウインチを連続稼働してバリバリ引いてやりたいという人は、PTOウインチを載せればいいだけだし、そうでない人は電動ウインチを積めばいいだけの話だ。
また、(僕はしませんが)パワー不足を感じるのであれば、15000ポンドのウインチやダブルモーターなどのウインチなども市場には多く出回っているし、車を買うことを思えば価格は安いし、買ってしまえば一生モノということも十分考えられるので、
僕は「牽引力が足りない」って思う場合の対処法は比較的簡単だし、それほどめちゃくちゃお金がかかるようなことではないと思っています。
■牽引力が少ないことは腕でカバーできることも多い
僕が搭載しているトヨタ純正の縦型電動ウインチは、同じサイズのウォーン製のモノに比べて、おそらくだが相当牽引力は劣っているように思う。
カタログスペックではそれほど違いがないのだが、どうもクロカンの現場で見ていると、最低でも1.5倍くらいは違うように思えてしまいます。
僕も機会があれば、M8274のダブルモーターなどを載せたいと思っているのだが、実際のところ、今の非力な電動ウインチでそれほど不満があるわけではない。
・・・というのも、特にこれはウインチングの初心者に言えることなのだが、下手にパワフルなウインチを積んでいると、ウインチそのものを壊したり、車にダメージを負わせてしまうことがあるからです。
これは電動ウインチではないのだが、以前車のタイヤ全部が埋まるほどの泥沼にハマってしまったことがあり、真後ろに脱出させたかった為にそこからチルホールを使って牽引したことがある。
10年ほど前の話なので画像や動画は残してないのですが、よく似た状況はこのような時でした。
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