2012年8月8日水曜日

【クロカン道場】 ブレーキチョーキング



「ブレーキチョーキングの使い方を教えて欲しい」というメッセージを頂いたので、こちらでカンタンな解説をしたいと思います。

まず、実際にブレーキチョーキング(簡易デフロック?)を使っている動画から。




使っているのは1:24あたり。

若干、エンジン回転が上がり、こもったような音がしているのが分かっていただけるかな?


ブレーキチョーキングという言葉を少し説明すると、以前は「ブレーキタッピング」という技の方が有名でした。

チョーキングは締め上げること。

タッピングは(かるく)叩くこと、という意味です。

ですので、ブレーキタッピングはブレーキをポンポンと強めに踏むのに対し、ブレーキチョーキングというのはジワ~っと弱めに踏むという操作の違いがあります。



僕は2台目のロクマルに乗っているときに一度だけCVジョイント(ドライブシャフト)を割ったことがあるのですが、そのときはヒルクライムを登っていて、タイヤが浮いてしまうので、ガンガン ブレーキを踏んで(つまりタッピングしていて)バキッ!!とわりました。


確か95年頃の話だと思うのですが、(長男が産まれた年くらいか?) 

その当時は、本当にクロカン走行の技や走らせ方の基本とか、クロカンそのものの考え方などが確立していなくて、ブレーキタッピングみたいな誤った技などが結構、蔓延してましたね。


CVを割ったときも、当時、よく遊んでいた四駆の先輩に「タッピングしたらデフの働きを殺すことが出来るので、走破性が上がる」とかなんとか現場で言われて、それをまに受けてガンガンやってたらわっちゃったって感じでした。(やれやれ)


CV自体は、廃車のロクマルを広島からもらってきて移植したのでほぼタダで直せれましたが、その当時は「やっぱりデフロックがついている車には敵わないな」って思ったものです。


今のPZJ70は、96年頃から乗っていますが、ランクルとしてはコンパクトな車体、軽量でふけ上がりの軽いエンジン、強力な前後デフロックで、当初は「これが同じランクルか?」ってマジで驚いたものです。



ここから当分の間は「走破してナンボ」的な走り方・考え方をしてたので走らせ方も今から考えると、かなり荒削りというか、どちらかというとブン回すような走りをさせていましたし、そういう走りならボディを痛めるのも仕方ないかな、というような考え方でクロカンしてました。



ブレーキチョーキングという言葉を最初に知ったのは、確かCCVMANのクロカン道場の掲示板で誰かが(CCVMANだったかな?)がそういう技があるってことを書いていたのを見たからだったと思います。

知ったのは随分前のことでしたが、デフロックがある車でずっとクロカンしてましたし、どちらかというと勢いつけてポンと載せるような走り方が当初メインだったので、長らくブレーキチョーキングを極めようなどと思ったことはありませんでしたね。



走り方というか、クロカンってことについての考え方が変わるキッカケになったのは、やっぱりCCVMANから教わったことが大きいのですが、

98年頃、よく一緒に走っていた、但馬の70乗り君@オープンデフのBJ70幌 の影響が大きかったですね。



彼とは、BJ70幌(このボディは最後もらった)⇒HZJ71V(フロントコイルの70短)⇒JB23W(ジムニー)の3台のそれぞれでよく一緒に走って、競い合っていました。


彼はオープンデフなので、こちらもイコールコンディションでオープンで走ろうとするのですが、当初は粘りのある3Bエンジンと、粘らない1PZエンジンという違いや、こちらのギア比の高さや、オープンデフでの技などがほとんど使えなかったので、かなり苦戦していました。


で、その当時から少しずつ「ブレーキチョーキング」という技を練習し始めたわけです。

2000年頃に、ジープ藤●(クラックマンと会って一緒に走るようになり、その頃から徹底して練習するようになりましたね。



ブレーキチョーキングには2つの方法があると思っています。

上の動画でもやっているのですが、タイヤを止めた状態から、半クラから徐々に繋げていきつつ、ブレーキ+(若干)アクセルを踏んでいくという方法と、

タイヤを空転させた状態から、ブレーキだけを微妙に踏んで、前進させることの2つです。



ランクルの場合、サイドブレーキタッピングをする人も多くいます。

タイヤが浮き始めたら、リアブレーキをサイドブレーキでガンガン、締め上げるテクニックなのですが、アレは2輪にしか作用しないので、本当に効果は薄いです。

デフロックの方が100倍、効きます(笑)。


余談ですが、クロカン用語の「キャンバー」というのは「斜面」のことを言います。

本来、くさびっていう意味ですけどね。

あと、「トラバース」という言葉もよくキャンバーを走る際に使いますが、これは斜面を横切ることですので、クロカン用語では斜面に真横に張り付き、真横に車を走らせる操作のことを言います。




で、キャンバーをトラバースさせるとき、僕がサイドブレーキを少し引きながら走ることが多いのですが、これは、山側の2輪が浮いた場合、トラクションが一気にその2輪に抜けてしまってリカバリーも何もできなくなるので、あらかじめデフの動きを殺しつつ走らせる目的のために使っているわけです。

ですので、僕がキャンバーをトラバースさせている際には、リアだけでもデフロックを入れていたり、最初からサイドブレーキを引いていたり、いつでもサイドブレーキをガツンと引けるように、レバーを握りっぱなしで運転していることが多いですね。


リアのデフロックを入れるかどうかは状況や斜面の状態によって決めますが、リアデフロックを入れていたためにラインがズレたり、小回りが効かないってことも多いので、僕は基本的にあまりキャンバー走行時では使いません。



ブレーキチョーキングに話を戻しますが、フットブレーキを使って4輪同時に締め上げても、効きそのものはデフロックを入れた状態の何分の一も前進力を発揮してくれません。

ですので、ブレーキチョーキングを成功させる最大の”コツ”は、「使うときのタイミング」にかかってくるのです。


最初の動画を見てもらったらわかりますが、ものすごく微妙にライン修正を事前に行なっているのがわかると思います。

なぜ最初のポイントでブレーキチョーキングを使わなかったのか?というと、「あのポイントでは抵抗が強すぎていくら使っても車は前進してくれない」ってわかっていたからです。


判断基準は僕の場合、「タイヤがどのくらい抵抗がかかっているか」を体感することです。


最初に引っかかった時は「かなり強い抵抗がある」、

次にタイヤを右に5cmほどズラして進入した時は「少し抵抗が減ったが、まだ引っかかりが強い」、

そのあと、何度か5cmずつ程度に右にズラしてしていって、1:13あたりで「これならブレーキチョーキングを使えば前進させれる」と判断して、技を使い始めているわけです。



前後に2輪、トラクションが抜けてしまってタイヤがグルグル回っているときにブレーキチョーキングで前進させるときは、操作自体はカンタンです。

クラッチ操作はする必要がないので、右足でアクセルペダルを踏みつつ、左足でブレーキペダルを踏んでもいいですし、

元々あまりアクセル操作は必要ないので、チョークを引いてエンジン回転を少しだけ上げつつ、ブレーキ操作をするだけでいいからです。

(トップ画像は左足ブレーキでチョークしている画像です)



ただ、最大のポイントは「どこで技を使うか」です。

少しでも引っかかり抵抗が強いといくらやっても前進出来ませんし、ブレーキやクラッチに負担をかけるだけですから。


ですので、「完全に引っかかるポイント」と

「技を使わなくても簡単に通過出来てしまうポイント」の真ん中にある、

「技を使えば脱出出来る(かもしれない)ポイント」を繊細な操作で探り当てる前段階をいかにスムーズに行うかが重要になってくるわけです。


その「行けるかいけないか微妙なポイント」は、感覚的にいうと2センチとか、もっと狭いラインにあったりしますね。


ですので、タイヤをくるくる空転させながらブレーキチョーキングしてて、「まだちょっと進んでくれないな」ってときに、それこそハンドルをこぶし一個程度左右に切っただけで、急にトラクションが発生して車が進むことがあったりします。



動画のようなブレーキチョーキングは立て続けに使うとクラッチに負担をかけすぎてしまうので、練習時もピンポイントで使うようにしていますし、

ブレーキを踏むといっても、踏力はかなり弱くしています。


一応、ブレーキチョーキングについて操作法や注意点を書いてみましたので、クロカン走行時の参考にしてやってください。


2012年05月09日

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