2012年8月15日水曜日
高いギア比の車で安全に走る方法
先ほどのレポートを書いていて、思いついたことがあったので早速レポートにしてみたいと思います。
私のクルマは、ギア比が高くエンジンの粘りも(ディーゼルのランクルとしては)それほどないPZJ70なのですが、ギア比はノーマルの1.9を2.2ほどに若干下げています。
しかしそれでも、3Bや13BーT、1HZ搭載車のノーマル車両のギア比と同じ程度と、脚の速さはほとんど解消されていません。
ただ、これは私の考え方なのですが、クルマをイジる前には徹底して、出来ることをやり尽くして、それでもダメなら初めてクルマ(ハード)をイジる、と言うふうにしています。
ここでは、私流の「ギア比の高さをカバーする方法」についてお話していきたいと思います。
■かじはら流 『高いギア比の車で安全に走る方法』
僕も以前は派手に車を傷める走りばかりしていた時期があるのであまり偉そうなことは言えないかもしれませんが、
リアにアルミの波板を貼った辺りから、ボディをほとんど傷めない走りに切り替わっています。
まぁ、走る処が「明らかにボディが痛むよね」って地形を攻めていることが少ないということもボディをほぼ傷めてない理由なのですが、
それより大きいのは、いくらかの条件を整えているからだと思います。
まず1つ目の要因は、『車の重心を極力上げないようにしている』ということ。
車はどんな時に大きなダメージを食らうか?というと、これはまず言えるのが「転倒時」です。
僕の場合は、4/4回転が一回、2/4回転一回というのが最も大きい転倒歴で、横倒し(1/4回転)は数知れず(汗)なのですが、
やはり転倒時は強烈なダメージを食らいます。
つまり、「車の重心を上げ過ぎない」ってことも、ボディを傷めない要因になると思っているので、僕は極力重心を上げないように足回りなどのセッティングに注意してます。
よく、「タイヤがボディに干渉するので、ボディリフトしました」ということを聞くのだが、TJなど、元から重心がかなり低い車でするのであれば、それなりの価値があると思うのだが、
重心が元々高い車でソレをしてしまい、さらに脚が際限なく伸びるような改造を施している車は、転倒限界が非常に低くなってしまい、結果的に走れるラインが非常に制限されてしまっている車を非常に多く見かける。
改造は楽しいことだが、同時に走りの楽しさや、腕を磨くのには不利になることが多いということは知っておいて損はないと思う。
2つ目の要因は、『車を傷めそうなラインを走る時は躊躇なく車から降りて自分の眼で確認する』ということ。
これは、トライアルなど競技出身者がとてもおろそかにし易い点ですし、グループやクラブなどによっては外から誘導するのが当たり前な処も多いので、そういう場合、自分の眼で確認して走るってことをほとんどしない人も多いと思います。
それらの流儀が悪いというわけじゃないのですが、私みたいに「やるからには少しでも上手くなりたい」と思ってクロカンしている人なのであれば、少しでも不安に思う時は、車が動かないようにしておいて、車から降りて自分の眼でライン上の障害物や地形などを確認し、冷静にライン取りを考えるべきだと思います。
走っているとき、外からのアドバイスで走り切れても、それは全く腕を磨くことにはつながらないということは覚えておいてもいいと思う。
3つ目の要因は、『壊れそうな部品は予め外すとか、壊れない様対策しておく』ということ。
ランクル70の場合は、純正のままで非常に壊れやすいものとして、サイドステップ、マッドフラップ、純正バンパー、テールレンズ、フェンダー前端、ドアなどが挙げられます。
つまり、ここら辺の部品や壊れやすい処は予め強化しておいたり、可動式にしてぶつけても手前に動いてストレスを逃がす造りにしておいたり、クロカンするときは外しておくなどの対策を施しておくと、傷める心配はほぼなくなります。
4つ目の要因は、『ぶっつけ本番だけ走るんじゃなく、普段からあらゆる状況を想定して走り込みをしておくこと』です。
これは競技を見ていて本当によく思うのですが、競技に出て勝とうと本気で思っているのであれば、少なくとも僕程度の時間は走り込みにつぎ込むべきだと思います。
これは競技だけでなく、クロカン全般で言えることだと思うのですが、普段、自分が走りたい処だけ走っていたのでは上手くなるわけもなく、
普段から「どれだけ走りにくい処を走っているか」とか、「同じところを走るにしても、いかにスムーズな操作でクリアしてるか」とか、「普段からどれだけ厳しい状況に自分を追い込んでいるか」ということが重要なのじゃないかと思うのです。
5つ目の要因は、『ブレーキングを磨く』ということ。
たまに、アクセルの踏み過ぎでパオーンから転倒に至るケースがありますが(笑)、
これは狙ってコカしているとか、コケる寸前までわざと攻めている、ということを除き、極めて初歩的になイージーミスの部類に入ります。
よく考えたら分かると思うのですが、アクセルワークが下手で車を傷めることは少ないのですが、ブレーキワークが下手で車を傷めることは非常に多いのです。
下りなどはその最たる例で、ラフな操作しか出来ない人は間違いなく車をボコボコにしてます。
車の側面を痛めやすい、V字溝などでは動いているか止まっているのか分からないくらいの移動速度が求められることが多い。
ギア比の高い車で駆動力を逃がさず荷重が抜け気味のタイヤに駆動力を伝えつつ、さらに超微速で車を動かすには、ブレーキチョークなどの技が欠かせない。
つまり、「ブレーキング」だ、
ブレーキングは「速度を落とす」という以外にも「トルクフローを殺す」という目的にも使えるので、必要以上にアクセルを吹かさずに走破させることにつなげることが出来るので、その分、車を傷めない走りが出来るようになると思っています。
6つ目の要因は、『一度で走破しようと思わないこと』です。
「一発で走破する」というのを重視する人などは多いと思います。
僕もトラに出ていた頃は完全にその頭でしたし、そう思っている人を非難しようとは思ってはいないのですが、
今の「揺り返し」(わざと前後に車を揺すりながら荷重移動で車を移動させる技)を使うようになったり、
わざと何度も”走破出来ない走りを愉しむ”ことや、
”走破出来ないときのリカバリーを愉しむ”とか、
少しずつ、走破する距離を伸ばしていくような走りに切り替えることで、車を極端に傷めることが少なくなったと思っています。
どうしても「一度で走破する」という走りにこだわった走りをしている人の場合、必要以上にアクセルを踏み過ぎてしまい、
地形に対してのインパクトが必要以上に大きいことが多い場合があります。
これは別に「地球にやさしく」というつもりで言っているのではなく、地形を走るたびに荒らしてしまうと、困るのは自分自身だということを覚えておいてもらいたいだけです。
クロカン上級者になると、地形や路面状況に応じて、最初から複数回で走破してやろうという戦略で走る人もいます。
雪中行軍などでは常套手段でもあるのですが、これは土の上のクロカンでも使える手です。
V字溝などでは斜面にわざとタイヤの跡を残すことで次に走る時に引っ掛かりをよくしてみたり、
当たると分かっている処はあらかじめ自由に操作できるフロントタイヤでひっかいて削ってしまうような使い方をする場合もあります。
クロカン、特にヒルクライムなどをしていると、結局はある程度アクセルを踏んだり、速度を乗せないと走破出来ないってことも多いのですが、
最初はアイドリング付近からあてがうようにしておいて、少しずつ速度を上げたり、ライン取りを変えるような走り方をさせることを覚えておけば、
最終的に走破する速度も必要最小限にとどめることが可能になるので、その分、車を派手に傷めたり、
リカバリーで失敗して転倒する、などということが減ると思います。
7つ目の要因は、『いざという時のための保険はしっかりかけておく』ということ。
トラ専の方や、レスキュー用品などを全く持たずにクロカンしている人もいます。
ですが、そのような人の場合、リカバリー=転倒の可能性大 というような地形を走る場合や、軽くスタックした状態からの脱出で、
必要以上に自走であがいてしまい、車を派手に傷めるケースが多いと感じています。
例えば、先日、林間コースのヒルクライムで、結構大きな段差を越えて斜めに登っていくラインがあって走ってみましたが、
そこなどはヘタにリカバリーしてバックダウンなどをしていると、
段差が高く斜度も急な処にもってきて、斜めに登るので、下手にバックダウンすると「こりゃ、コケる可能性が極めて高いな」と思いました。
そこで2~3度、段差をフロントだけ越えさせてみて、伝わってくる路面状況などを確認した後は、ローセコとFデフロックで一気に段差を通過させ、リカバリーしないで済むように走破しました。
このような場合はデフロックを使わないことに躊躇しませんし、斜面の真ん中で斜めに止まってしまった場合などは躊躇なく牽引や、ボディ側面にアンカーをかけるなどの処置をするだろうと思っています。
(普段は、誰の手も借りない主義ですが、場合によってはレスキューを頼むかもしれませんしね)
初心者のうちは「保険をかけておく」ってことは難しいかもしれませんが、
少しずつでいいので、自分の”腕”と”装備”、それから”眼”を養って行ってもらいたいと思います。
8つ目の要因は、『成功事例と失敗事例をとりあえずたくさん知っておくこと』です。
私は、初心者と上級者との最大の違いは、車の性能でも何でもなく、「自分の中で引き出しをどれだけ多く持っているか」だと思っています。
プロスポーツの世界などでは自分のスイングや操作などをビデオで撮っておき、後から確認したりすることが非常に古くから行われています。
うちの親父は、ゴルフが結構上手くハンディが8だったのですが、まだ”動画を撮影する”ってことが庶民のものではなかったころから、自分のスイングを連続写真に撮って現像して眺めていたり、
8mmフィルムで撮って映写機で映して見てましたね。
今から40年近くも前からアマチュアの世界でも、これらのことは当たり前のようにされていたわけなのですから、プロの世界などではもっと多く使われていたんじゃないかと思いますね。
自分では「運転が上手い」と思っていても、外から客観的に眺めていたらそんなこともないだろうとか、
自分では大したことしてないつもりなのだが、後から動画を見てたら、予想に反して驚きの絶妙なテクニックを使っていたとか、
そういうような気付きが自分で自分の走りなどを撮影したものを見ているとあるものです。
また、自分の走りだけでなく、他人の走りなどを見ることも、自分の走りのバリエーションを広げる上で非常に重要ですね。
四駆という遊びは走るポイントが同じだったり、一緒に走る人が固定されやすいってこともあって、わりと「井の中の蛙」になりやすいと思っています。
ですので、自分の走りの流儀が違うとか、考え方が違う、なんとなく気に食わないとか、実際に過去に人間関係でトラブった(笑)というようなことがあっても、
吸収出来ることは多いかもしれないので、いろんな走り方や考え方、主義主張なども含めて色眼鏡で見るのではなく、なるべく心をからっぽにして他人の走りをしっかり観察するようにしたいと思います。
ひとまず、これでギア比が高い車でボディその他を痛めない考察を終わります。
これが参考になれば幸いです。
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