2012年10月23日火曜日

過去のウインチングによるトラブル


過去のウインチングによるトラブル
前回の記事でウインチを搭載することをオススメしたわけですが、ウインチや、その他レスキュー用品というのは特に重い物を扱う場合に、取り扱いを間違える と非常に危険な場合も多いので、これは僕が知っている範囲で、過去にどんなトラブルを起こしたことがあるかというのをご紹介しておきたいと思います。

・・・素人がやるウインチングやレスキューほど怖いものはないですからね(^^;


●自分がやったウインチングでの失敗その1:PTOウインチのシェアピン破断


これは最初に乗っていたランクル60に付いていたPTOウインチ(PTO:パワーテイクオフの略、PTOウインチとはエンジンの動力を使って駆動させるウインチのこと)でのトラブルなんですが、

県北の某林道でスノーアタックをしていたとき、ハマりこんでしまったので自分のウインチで脱出させようとしたことがありました。

30mほど先に電柱があったのでそこに引っ掛けてシングルラインで引こうとしたら・・

ものの数メートルも引かないうちに「バン!」と腹下から音がして、急に巻き取りしなくなりました。

単純にシェアピンが飛んだだけだったのですが、そのシェアピンはなんとエンジンの直下。

雪で車の下半分が埋まっているような状態でシェアピンの交換なんて出来るわけありません(涙)

その時は同行していた前後デフロック搭載のハチマルに横をすり抜けてもらい、前方からウォーンのM8000で引っ張ってもらいましたが、シェアピンが破断 するくらい埋まっているハズなのにシングルラインで楽々引っ張ったのを見て「純正のシェアピンは役に立たない」って思いましたね。

ちなみに、ワイヤーのテンションがかかったままシェアピンが飛ぶと、ウインチのギアは非可逆性をもって設計しているので、ドラムを手で廻しても回らないんですね。

ワイヤーのテンションはピンと張ったままなのでその場から全く身動きできなくなるわけです。

ウインチのクラッチはテンションがかかったままだとフリーにならないので、なんらかの方法で車を牽引するなどしてワイヤーのテンションを緩めないとクラッチをフリーにさせることすら出来ないという恐るべき造りになっているのです。

それ以降は、シェアピンの予備をとりあえず5本購入しましたが、あっと言う間に全て使い切ったので、クロカンの先輩たちがやっていた鉄クギを代用するようになり、その後はやっと普通にレスキューで使えるようになりました。


●自分がやったウインチングでの失敗その2:クラッチレバーがフリーになり転倒

最初のロクマルを手放した後、数年はトライアルに出ていたこともありウインチの無い車に乗っていました。

ですが、トライアルに出ていた最後の年くらいに今の純正ウインチを載せ、トライアルなどでハマった車のレスキューなどに使うようになりました。

県北にあった「スーパーハード」というコースを走っていたある日、ヒルクライムをしていてウインチでの引破に切り替えてウインチで登っていたのですが、

アンカーになる木が弱かったため、運転席のランバーサポートに腰掛け、身を乗り出すようにしてアンカーを目で見て確認しながら引っ張ってました。

すると、急に「スッ」っと車が後ろに後退を始め、「わっ!」っと思う暇もなく坂の下までバックダウンしてそのまま運転席側を下に転倒してしまいました。

運転席側から倒れましたが、転倒前に運転席の中に飛び乗り事なきを得ましたが、僕が過去経験したトラブルで一番怖かったのがこの時でしたね。

原因は単純で、「ウインチのクラッチレバーが外れフリーになっていたため」でした。

ランクルの純正ウインチのクラッチレバーは、ロックした際に「カチッ」と止まるわけじゃないので、おそらくですがこの時は中途半端な処で止まっていたんじゃないかと思います。

で、牽引中にレバーがフリーになり、そのまま一気に支えを失い、バックダウン&派手に転倒したってわけです。

この時の教訓もあって今ではウインチング中に車から身を乗り出すことはしなくなったのと、ウインチのレバーをロックする際には自分で再度確認するようにしました。

(人にしてもらったので確認してませんでしたってのは言い訳になりませんからね)

ウォーンなどではありえないトラブルかもしれませんが、アンカーやウインチのロックなどは自分の目で必ずチェックするようにしてくださいね。


●自分がやったウインチングでの失敗その3:タイヤのビート落ち・フェンダー消滅

当時は「クロカン時にはタイヤのエア圧は必ず落とすもの」というのが一般常識みたいに言われていました。(今でもかな?)

ですので、僕も当時履いていたジープサービスを0.8キロくらいまで落としてクロカンしてました。

これもスーパーハードという昔存在していた岡山県北でのV字溝での出来事でしたが、当時、コースの管理人が新しいV字溝などを掘ると、僕が最初に突っ込んでインプレッションをしていました。

ある日、全長100mほどの長くて深~いV字溝を掘ったので進入した処、半分ほど進んだ処で運転席側が溝の底に落ちてしまいました。

このV字溝、まだ誰も踏み固めていないってこともあり、一度潜ってしまうとどこまでも際限なく埋まってしまう(汗)のですが、

この時は後ろに引くにも物凄く距離があるのと、誰もそこまで進入出来ないってこともあり、自分のウインチで前方に引破させることにしました。

とりあえず右フェンダーが完全に壁に埋まっているので、左斜め上方にアンカーをかけ引っ張った処・・・

ボコッ!と抜け出してみたら、あら不思議、フェンダーが消滅して運転席からタイヤがむき出しになっています(大汗)

抜け出してみて驚いたのですが、まずフェンダーが完全に潰れ、プレス状態になってしまっていたのと、右前タイヤが派手にパンクしてビート落ち。

この時は自分のウインチでフェンダーをバリバリと引っ張り出して自走で帰りましたが、

この時以降も、牽引時に段差に引っかかったタイヤがパンクするってことが度々起こりました。

激しいときには、月に3回、ビート落ちしたタイヤを修理してましたね。

そこで現在は、クロカン時にあまりタイヤのエアを落とさないようにしました。

(ちなみに先日のスポーツランド岡山でのクロカン時のスワンパーのエア圧は2.0キロ前後でした)


●他人がやってて怖いと思ったウインチングのトラブルその1:巻き込まれて自分まで転倒

ある場所でハチマルか何かの重量車が坂の上のジムニーをアンカーにして登ろうとしていたのを遠くから見ていたことがありました。

谷をはさんだ高台からその様子を眺めていたのですが、何か違和感があるなぁ~と友人と談笑しながら観ていました。

・・・すると、ウインチで巻き取りをして登り始めようとした途端に、アンカーになったジムニーが急に動き始め、急角度の坂を転がり落ちてしまいました。

坂の下には人もいたし、車もいたので見ていて肝を冷やしましたねぇ。

その時は幸い、誰も怪我はしなかったですが、原因はアンカーになった車があまりにも軽量だったことや、その車を停めていた位置が坂のすぐ上でちょっと滑っ ただけで自分まで落ちてしまうこと、その車がさらにアンカーになるものを取っていなかったことなどが挙げられると思います。


●他人がやってて怖いと思ったウインチングのトラブルその2:空飛ぶピントルフック

今はあまり見かけなくなりましたが、以前は土に還る直前のようなボロボロに錆びた車などがよくクロカンの現場にいました。

ある日クロカンしていると、コース内に埋め込まれた丸太でカメになり、身動き取れなくなった古いジープがいました。

その丸太は坂の上の方にあったので、ひとまずそのジープを坂の下から引っ張ろうとしたみたいで、ピントルフックにワイヤーの先端を引っ掛け、ワイヤーを巻 取ろうとした直後、「ボコッ!!」と音がして何か黒いものが宙を舞い、牽引していたランクルのボンネットに「ガン!!」とぶつかりました。

僕はクロカンしながら遠目に見ていたのですが、異変に気がついたのでその場に駆け寄ってみると、驚くことにジープの最終メンバーが完全に折れて、外れたピントルフックが10mほど後方の牽引車まで飛んで、ボンネットに大きな凹みを作っていたわけです。

この時も幸いにしてけが人は誰もいませんでしたが、

このように、下から牽引する時、アンカーになるものが何らかの弾みで破損した場合は下にいる車やギャラリーに重量物が高速で降ってくることがあるので注意が必要です。

よく真っ平らな処で牽引していて、ワイヤーやフックが破断した時のためにワイヤーの上にマットやロープを乗せて、それらが飛んでこないようにするのを見ることがあります。

個人的に言うと、平地の場合は重量物が後ろにいる車まで飛んでくることは滅多にないのでそこまでする必要はないんじゃないか?と思うこともあるのですが、 下から上に向かって引く場合などは、マットやロープをワイヤーの上の乗せた程度では役に立たないので、周囲に人は立たないとか、牽引している坂の下の車は 注意するなどしたほうがいいでしょうね。


・・・その他にも細かい処でいうと、ウインチを操作していて手がフェアリードに巻き込まれて怪我したとか、ささくれたワイターを手で触っていて軽く怪我した、などということは本当によくあります。

また、やってはいけないこととしては、テンションのかかったワイヤーを又越してしまう、などは本当によく見かけます。

くれぐれもウインチングをする際には、注意していただきたいと思います。

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