2012年11月12日月曜日

私から見て上手いと思う人

  先日、自宅のリビングでなにげにテレビを見てたら、横でネットサーフィンしてたJr.が、

「これ見て、これ」

と言うので、PCのモニターを見ていたら、僕と同型車種の車がフロントを下に派手に3点接地(俗に言う”犬ション”)していた画像を写ってました。

体勢としては丁度こんな感じですが、


※この画像とドライバーは今回の話とは全く関係ありません。ちなみにこの画像はLCCOの現会長さんの車。もちろんヘタなわけじゃありません


Jr.が見せてくれた画像の方は、かなりの急坂でやっていたので、転倒したときのダメージはこの写真の比じゃないほど酷いでしょうけどね。


Jr.:「この人 凄く上手いな!」

私:「なんで?このどこが上手いの?」

Jr.:「だってこんな体勢に持ち込んでるんだよ」

私:「この画像見ただけで上手いか上手くないかわかるわけないじゃんか。俺が見て”上手い”と思う人は、全然違うよ」

こんな話をしたことがあるので、もう少し掘り下げてお話したいと思います。



■私から見て”上手い”と思う人


私が見て走りが上手いと思う人の走りにはいくつか特徴がある。


まず、1つ目は、「走りのバリエーションが複数ある人


書道の達人などでもこれは同じことが言えるのだが、字の上手い人は複数の字体を操る場合が極めて多い。

自分の場合は、顔眞卿(がんしんけい)の顔法(がんぽう)が一番得意で、


次に練習したのが、王義之(おう ぎし)、欧陽詢(おうよう じゅん)など。



僕が書道を辞めたのは高校生の頃だったので僕はこの程度だったが、上手い人はこれら達人の字体を吸収した後に、自分の字を編み出し、自分のものにしていくのだという。

今は”クロカン”ばかりやっているのだが、書道と同じようなことは、クロカンにおいてもいえるんじゃないかと思っています。

なぜかというと、まず「クロカン」というのは、何を目的とするかで使う技や走り方などがガラリと変わるからだ。

僕は今ではもう競技にターゲットを絞ったクロカンはしないのだが、競技を目的にして走ってもいいし、

僕みたいに”クロカン全般”にターゲットを絞った走り方を追求してもいい。

競技も例えば、トライアルとトライアングル、ロッククローリングではおおきく違うし、以前あったアイアンバールカップなどになるとこれまた随分と違ってくる。

また、走りにここまで凝らなくても、仲間とのツーリング感覚のクロカンもアリだし、キャンプや食事主体のクロカンってのもまたいいんじゃないかと思う。

また、改造主体で、イジるのが好きって人もいますよね。

つまり、”クロカン”というのはこれら全てを含めた話になるので、より多くの引き出しを持つ人が当然、強くなるというわけですね。



2つ目は、「四肢に感覚が行き渡っている人


クロカンは、四つのタイヤの性能を使い切る遊びだと僕は思ってます。

だが、走る地形というのはモーグルのように凸凹が多い地形や、岩場、キャンバー、ヒルクライム、ヒルダウンなど数多くの地形があり、またタイヤが接触する路面状況も非常に多くのパターンがあるので、「これが最高の脚回りとタイヤの組み合わせ」というものは実際の処ない。

また、タイヤのサイズも大きければ大きいほど良いのか?というとそんなことは全くなく、特に駆動系や操舵系に余裕のない車でデカ過ぎるタイヤを履くと、ポキポキと無様に壊れまくるので、やり過ぎないという選択肢を採ることが非常に重要になってくる。

僕は「よく壊す人」というのは、地面から伝わってくる情報を上手く操作に反映出来ない人だと思っている。

だが、操るのが上手い人というのは、例え飛んだり跳ねたりを繰り返すような 僕とは正反対の走り方をしていたとしても、ビックリするくらい荷重移動がうまかったり、空転を抑えた状態で着地したり、なかなか壊さない走りをする。

また、自分と同じようなクローリング基本な走りをしている人でも、四肢に感覚が行き届いている人の走りは、まるで地面を自分の手や足で掴んでいるような走り方をさせている。

どちらに共通するのが、「まるでこれから起こることを予期しているような挙動をさせることが多い」という点だ。





■予期する能力と、自分の走りを予告出来る人


走りの上手い人の共通すう特徴に「走りのバリエーションの多い人」というを挙げたが、走りのバリエーションが多いということは、あらゆる状況に陥っても、リカバリーや対処法の引き出しの多いということだ。

単に引き出しが多いと言わなかったのは、たまに人の走りの評論だけはするんだが、自分自身は全く走らないって「クチだけクロカン」の人がいるからだ。

本当にその人に引き出しが多いのか、多くないのかを知るのは本当にカンタンで、「自分がこれからすることを予告し、その通り走ってもらう」か、「これから何が起こるかを予言してもらう」ことをすればいい。

逆に言うと、自分自身が走る際などにはなるべく周囲の人などに自分がこれからどういうことをしたいのか、これからどういうことが起こるのか、ということを予告や予言をすればいい。

単独行などで自分ひとりしかいないのであれば、走る前などに自分の心の中でいいので具体的に何がしたいのか、どんなことが起こりそうなのか、を考えるようにして走ればいいと思うし、自分はやってる。


最初、僕が3点接地の人の画像を見ても上手い人なのかどうか分からないと言ったのは、そのひとが本当にその体勢を狙ってやったのか、たまたまやってフリーズしてしまっているのかさっぱり分からないからだ。



■車が持つ能力を使いきれる人


「極端な体勢に持ち込める人が上手い」とは僕は全く思っていない。

例えば、300万円する車と、タダ同然もしくはすでにグシャグシャにしてしまっている車とでは、出来ることや限界が違うというのは当たり前のことだ。

だから、例えば45度で同じように転倒してしまう車だとして、300万円する車とタダ同然の車では、300万円する車だと80%の35度程度まで攻めるこ とが出来るのなら上等だと思うが、タダ同然の惜しげのない車に乗っているのであれば40度くらいまで余裕で攻め込めるのが当たり前。

また、そういう車に普段乗っていても、高い車に乗り換えたらすかさず同じくらいまで攻めれるようでないのであれば、それはまだ鍛え方が足りないわけだ。

僕が走り込みを重視したことを言うのも、よく現場で「ほんじゃそれと同じことをあと100回やろう」と言うのも、自分が思う”限界ライン”に躊躇なく近づけていけるようにするためだ。

だから、例え300万円の車だとしても最初は80%くらいまでしか突っ込んでいけなかったとしても少しずつ、少しずつ自分の限界に踏み込んでいくことで、全く危なげなく90%以上の処まで踏み込んで行けるようになっている人は凄いと思うし、上手いと思う。

これを可能にするには、「走り込みの質と量」と、「その状態を外から確認出来る目」の2つを持つことは欠かせないと思っています。


※こんな画像を残していたとしても、その人が上手いかどうかは本当にわからないものなのだ


これがネタバレ画像

自走で登ったのではなく、ウインチで岩をアンカーにして登ってたりする(w



■14年前の動画


Jr.がゴソゴソとVHSのビデオデッキを触っているのでなにやってんだかと思ってたら、今はMKYと呼ばれている(ぼくら旧住人は47と呼んでいた)山を走っていた動画が出てきた。

日付が1998年の1月なので、今から14年ほど前になるのだが、僕の車も転倒未経験の最後の辺りの動画なので、まぁ凹みもほとんどなく綺麗なこと(笑)。

当時3歳のJr.も写っているのだが、ムーミン谷のネーミングの由来になったムーミンもちゃんと抱えてなんとも可愛いこと。

今のクソ生意気なのからすると想像出来ないくらいですね。


自分の14年前の走りもチェックしてみるのだが、今では考えられないくらい雑でエエ加減なライン取り。

例えばV字溝を登ってるんだけど、最初のラインがダメだったら次はタイヤ3本分くらいいきなりズラしたラインを選んでたりとか、

3点接地でパオ~ンしていても、限界には程遠い処でビビって止まってしまってるとか。

まぁ、横にJr.を抱えた奥さんを乗せてたりするので、極力傾けないようにってのもあったのかもしれないが、正直見れた走りじゃない。

また、そのうち暇があったら動画をキャプチャーしてYouTubeなどに載せておこうと思いますが、そのときはご笑覧ください(笑)。



■走行会のお知らせ♪




次回の走行会は11月23~25日に予定しています。

スポーツランド岡山2泊3日飽きるまでクロカンしようぜ走行会

↑詳しくはコチラをクリック

飽きるまで走り込みをしようと思ってますが、「走りが上手くなりたい」とか「外から評価して欲しい」という方は積極的に絡んでくれるとありがたいです。

さすがにあまり親しくない方に辛辣な評価やアドバイスは出来ませんからね(^^;

今のところ、参加で手を挙げておられる方は、僕ら親子以外では・・

・てっちゃん@Y61さん (元々、うちのJr.と彼が言いだしっぺ)
・クラックマン@J55さん
・ジムニーのスズキ@JA11さん (休みが取れたら)
・仙人降臨さん

今のところ、参加表明いただいているのはこれらの方です。

てっちゃんのところは当然、お父様も来られるので今のところ少なく見積もっても5台・7名ですが、参加される方は出来るだけコメとかで参加表明をお願いしますね。

「揺り返し」こそクロカンの基礎技術

  かつてボクシングでフライ級・バンダム級の世界チャンピオンだったファイティング原田氏は、「わずか10cmの隙間があれば生きたパンチを打てる」と言っていたそうだ。

足腰がしっかりしていればそんな隙間でもKOが可能だということだそうなのだが、よく似た(?)ものとしては、中国拳法でも「寸勁(すんけい)」というものが存在するそうだ。

これはほぼ拳を相手に当てた状態から一気に拳を突き出し、相手に多大なダメージを与える技なのだそうだが、YouTubeなどで出ている動画などを見るとものすごくいかがわしい(笑)。

僕は剣道を十数年やっていたことがあるのだが、剣道でも割と似た技がある。

これはものすごくメジャーな技で「刺し面」という名前があるのだが、普通、相手を斬るのであれば、おおきく振りかぶってザックリと切り落とすというのを想 像するかもしれないが、刺し面の場合は、ほんの数センチ振りかぶった状態で、剣を持つ手を瞬間的にギュッと雑巾を絞る要領で絞り上げ、剣先のスピードを極 限まで早くする、というもの。

(剣道をある程度した人ならほぼ皆、使いこなせます)

ただ、普通に考えるとわずか10cm程度の隙間で生きたパンチなんて打てるもんじゃないし、もし打てるのであれば修練の賜物ってやつでしょうね。


■四駆を操る技にも似たようなものがある

四駆を操る技にも「わずか10cmほどあれば」という意味で似たものがある。

それは「揺り返し」と僕らが普段呼んでいる技だ。


ランクルやサファリなど、特に大排気量でアイドリング付近で大きなトルクが発生していて、減速比も低い車だと、アイドリングでクローリングしていても「止まることがないんじゃないか」という勢いでガンガン、背中を押してくれる車もある。

また、パワステも非常に強力な車の場合は、据え切りも楽勝なので、このような「揺り返し」という技を使わなくて済む場合がほとんどだと思う。

また、トライアルなどに出ている人も基本的に前後に車を揺すると減点対象なのでこの技を身につける必要ががほとんどない。

だが、こと「クロカン」においては必要不可欠と言っていいほど重要な技なので、ここで詳しく使い方とか使う意味などを紹介しようと思います。


■揺り返しを使う意味とは?

まず揺り返しを使う理由としては、「微妙なライン調整がし易いから」ということが挙げられる。

たとえばこんな使い方。


これなどはまさに「10cm」程度、前後に揺すっているのだが、極 微妙にステアリング操作なども行なっていることがお分かりいただけるだろうか?

こんな感じに実際にタイヤを回転させてみて、トラクションやグリップのかかり具合を確認しながら微妙にタイヤが引っかかるラインを選ぶような練習時にも使えるのだが、

その応用としては実際のクロカン時などにもモーグルなどでトラクションが得られるラインを選ぶときなどにも使います。


2つ目の理由としては、「据え切りを防止するため(操舵系の保護のため)」だ。

これは、一度 重ステの車に乗ってみたり、パワステの付いている車でもエンジンが停った状態でステアリング操作をしてみたらわかるが、

完全に車が停止した状態でのステアリング操作は、正直できたもんじゃない。


腕力さえ鍛えればガンガン回せる、と思うかもしれないが、車の場合は当然、しわ寄せとしてはキングピンや操舵系の各ロッドのジョイントなどに負担がかかっている。

ランクル70系の場合は、かなり強力なパワステが装備されているので、たとえばタイヤを溝に落とした状態で、ステアリングを無理やりコジると、溝からタイヤが浮き出してくるほど強力だ。

だが、これは私も過去に一度やったのだが、単独行で山の中を走っていて、タイロッドのジョイントがボコッと抜けてしまったために、あやうく自走で帰れない状況に陥ってしまった。

それ以降、「絶対据え切りはしないようにしよう」と心に誓ったことがあります。

そこで現在は、ちょっとした段差や斜面などを利用して、前後に車が動いている間にステアリング操作をするようにして、操舵系にかかる負担を極力抑えるようにしています。


3つ目の理由は、「荷重移動を起こしやすいため」だ。

典型的な使い方としては、岩場など、比較的大きな段差などにタイヤを乗せる際に、段差に乗せる直前にわざと車を前後に揺らし、車が揺れる反動を利用して段差に乗り上げていくというような使い方だ。

応用法としては、大きな穴にタイヤを落とした場合や溝を乗り越えるときなどに使うことがある。

クローリングで抜けれるのだが、わざと前後に車をブランコみたいに何度か揺らせて遊んでいることがあるのだが、それも一応、荷重移動の練習だったりする。

この荷重移動の派手なバージョンとしては、トラ車などがよくやる、障害物を飛んで超えていく技がある。

それは、障害物にフロントタイヤがヒットする直前に派手にブレーキングを行い、フロントに荷重が移動した瞬間にフロントタイヤが障害物にヒット。

その反動でフロントタイヤが真っ直ぐ上に飛ばされるのだが、その瞬間にアクセルオンして、今度は荷重をリアタイヤに移すことで、さらにフロントタイヤを高く飛ばし、大きな障害物を超えていくという技だ。

重量車でコレをやってしまうと、(出来ないことはないのだが)たちまち車を痛めてしまうので、ものすごく軽くその操作を行い、大きな段差を超えていくことは多くあります。

下りの岩場などではブレーキングだけで荷重移動を行い、揺れた反動で「ポン」と大きな段差に乗せたり、普通にクローリングをやったのでは引っ掛けられない斜面の上の方にタイヤを引っ掛けるような使い方をすることもある。

例としては、ちょっと見にくいかもしれないが、コレなどがそうだ。



(1分30秒前後で使ってます)

また、大きめの岩がゴロゴロしているようなガレ場では、アイドリングでのクローリングに頼らず、車が揺れている間に反動が合ったタイミングを利用して、ポンポンと岩を超えていくような走りを自分の車ですることもあります。



4つ目の理由は、「クラッチの保護のため」です。

慣れてくるとわずかなトルクで少しずつ大きな振幅にしていくことが出来るので、使い方が良ければごくわずかなクラッチの負担などで、大きな段差を乗り越え たり、溝や穴に落ちたタイヤを超えさせたり、雪道などで掘ってしまった穴から、掘り散らかすことなく脱出させたり、非常に多くの応用法がある。

僕がこの方法を身につけた(練習した)のは、「ギア比が高いPZJ70で半クラなどを極力使わず、クラッチの負担を抑えて走り込みが出来ないか?」と思ったのがキッカケでした。


実際の練習風景はコチラ



ギアは基本的にローかリバースに入れっぱなしにして行うので、前後に動かすたびにガチャガチャとギアチェンジをする必要はない。

・・・ただ、AT車では出来る車と出来ない車があるんじゃないかな?

過去に乗っていたATのソアラなどでは、トルコンが逝かれてたのかどうか知りませんが、坂道発進しようと思ってブレーキペダルから足を離すとATなのに バックしてた(笑)のだが、普通、AT車の場合は鼻っつらが上向きになって坂道で止まっていてブレーキを踏まなくてもバックすることがない。

クリープ現象ってやつだが、うちのJr.などはAT車がうちにあったことがないのでそもそもそんな現象が起こるってことも知らない可能性もある(笑)


そういう車の場合はこの「揺り返し」が効果的に使えない可能性がある。

度々、DとNの間をガチャガチャとシフトしてもいいのかもしれないが、サーボの動きが追いつかないような気もするし、元々がクラッチ保護のための技でもあるので、これが原因でサーボやATを壊してたら意味がない。

僕は走り込みを極めて重視したクロカンを普段から行なっているのだが、走り込みをして車を壊したり、車を消耗させるのは極力避けたい。

そこで使われるようになったのが「揺り返し」の技なのです。


■「揺り返し」は、クロカンでの重要な基礎技術の1つ

最近はAT車が多くなってきたので、揺り返しの技の中には使いにくいものもあって申し訳ないのだが、揺り返しが効果的に使えるようになると、車の消耗を抑えながら効果的に走り込みをすることが出来るようになると思っています。

また、V字溝を又越しながら這うときの微妙なライン補正や、モーグルでのライン補正など、非常に多用します。

10cmと言うと言い過ぎかもしれませんが、タイヤ半周分くらい前後に動かすことが出来たら、据え切りせずに車の向きをおおきく変えることも出来ます。

山道などを走っていると、崖のそばを走っていて、これ以上バック出来ないというような状況に出くわすこともあります。

そこまでいかなくても、モーグルのヒルクライムなどをしていて、1つのモーグルを超えたところで停止して、また次のモーグルをアタックする際にギリギリ後ろまでバックするようなときがよくある。

そんな場合、前後に動く幅がほとんど取れないこともよくあるのだが、この技を上手く使えば、据え切りすることで急にグリップを失うことも避けれるし、微妙 なところでの操作を繰り返し行えるので、少しずつの成功を積み重ねて、走破する距離を安全に少しずつ伸ばす、ということもやり易い。

「一発で走りきる」というと、素人からして見てくれはいいのだが、実は踏まなくていいアクセルを余計に踏んでいた、ということは大半だし、大体、そんな走り方をしてたら、同じ場所なら10回も走ったら完全に飽きてしまう。

その点、最初から一発で走破することを狙わず、少しずつ走破する距離を伸ばしていくような走り方や、前後に車を揺すりながら少しずつライン補正を繰り返し、地形から伝わってくる情報を感じ取りながらするクロカンは飽きることがないと思っている。

今度の走行会も、こういう基礎の部分を徹底的にやろうと思ってますし、一度効果的な練習法を覚えてしまえば、後は自分ひとりででも出来るので上達は早くなると思います。



■走行会のお知らせ♪

次回の走行会は11月23~25日に予定しています。

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飽きるまで走り込みをしようと思ってますが、「走りが上手くなりたい」とか「外から評価して欲しい」という方は積極的に絡んでくれるとありがたいです。

さすがにあまり親しくない方に辛辣な評価やアドバイスは出来ませんからね(^^;

今のところ、参加で手を挙げておられる方は、僕ら親子以外では・・

・てっちゃん@Y61さん (元々、うちのJr.と彼が言いだしっぺ)
・クラックマン@J55さん
・ジムニーのスズキ@JA11さん (休みが取れたら)
・仙人降臨さん

・・・こんなところでしょうか。

参加される方は出来るだけコメとかで参加表明をお願いしますね。

牽引 小ネタ

小ネタ この画像はベルギーかそこらの改造車の画像なのですが、このような感じで、運転席の後部にウインチを設置して、真上にフェアリードを置いている例です。

ロールケージをかなり頑丈にしないといけないでしょうが、ロールケージの材料をクロモリ鋼などで作るとか、金かけれるならアルミでガッチリ作るとか、いろいろ考えられるので一つ本気で導入を考えてもいいんじゃないかと思う改造です。


メリットはいくつかあると思いますが、まず1つ目はフロントヘビーの解消になるでしょうね。

特にフロントデフやCVなどが弱い車などは、いかにフロントヘビーを解消するかというのが命題になる場合があるのですが、

そういう車では1つの解決法になる可能性もあります。


フロントデフやCVなどが弱い車の場合、よくフロントを下にした状態で無理やりバックすると「ベキッ!!」と折れてしまう可能性がありますが、この改造な ら、割と手軽に真後ろにウインチでアシストしながらバックすることも可能なので、そこらへんの部品を労わる使い方もカンタンでしょう。

僕の車の場合はこういう改造をすると貴重なラゲッジスペースが潰れてしまうのがイヤなのでしませんが、

真後ろにリカバリーしたい場合は、チルなどで後ろにテンションをかけておいて、自走中心で真後ろに脱出させるような使い方をすることが多いですね。

※参考例


ちなみに、重量があるのとかさばるので不人気のTu-16ですが(笑)、約半分の重量のX-13に比べ、かなり頑丈に出来ているのでかなりラフに使えるのは悪くないところですねぇ。

(まだ一度も壊したことないし)

チルは「安全を買う道具」なので、Tu-16も悪い選択じゃないなと思ってます。


先ほどの画像に話を戻しますが、あのフェアリードなら真横に転倒した際の自力リカバリーにも使えますし、また前方にも引ける構造にしているので、1つのウインチでほぼ全方向に使えるというメリットもあります。

デメリットは先ほども言ったようにラゲッジスペースに荷物が載せれなくなる、というものですね。


まぁ、使い方が合う人なら悪い選択じゃないと思いますし、フロントを少しでも軽くしたいと思っている人にも検討の余地のある改造なんじゃないかなと思います。


あと、チルホールの使い方のコツみたいなものですが、私の場合、ワイヤーをいちいち使うたびに通すのは面倒なので、20mワイヤーを挿しっぱなしにしています。

で、使うときは必要量を引き出して使うのですが、

ですので引き出す長さはなるべく短い方が撤収も含めてラクができます。

そこで、これは以前からもよく使っている方法なのですが、なるべく伸縮性のあるトウロープなどを多く間に挟み、ワイヤーを出す長さを短くする工夫をすることが多いです。

これにはもうひとつメリットがあり、ワイヤーが緩んだ状態からなんらかの弾みで「ガン!」と急にテンションがかかるような場合も、チルにかかる負担を伸縮性のあるロープなどが吸収してくれる可能性が多いと思ってます。

ただ、僕としてはいくら伸縮性があってもゴム製のクッションロープは全く信用してないので、自分が引く場合には絶対使用しません。


■結構怖いクッションロープ

ランクルの様な重量車では、クッションロープで勢いよく引っこ抜く使い方というのはあまり主流ではないと(僕は)思っています。

というのも、瞬間的に何トン・十何トンもの荷重をかけるクッションロープでの牽引は想像以上に車やロープそのものに大きな負担をかけてしまうことが多いということと、

あのロープ自体の作りが、布で覆われているので外から見て、ロープが傷んでいるかそうでないかが分かりにくいということがあるからです。

自分が過去にクッションロープを買ったことはありませんが、他人が使っているのを見ていても、かなりの数の「事故」や「不慮の出来事」があるので、アレを使いこなすのは相当難しいだろうなぁと思っています。

ただ、雪中行軍などではよくお世話になってますけどね。

ですが、ハマったときに後ろから引いてもらう場合はクッションロープに頼ったこともありますが、前にハマった車を引く場合は、僕は必ずウインチを使ってます。


■海外の画像で見たクッションロープ(?)の進化系

探しても出てこなかったので口で説明するしかないのですが、以前、ネットサーフィンしてて、金属製のかなりゴツいコイルをテンションロープみたいに使っている人を見たことがあります。

テンションがかかり、コイルが伸びきった状態になったときは、中に仕込んでたワイヤーが伸びきって保護をする、という造りだったと思うのですが、その当時も「へ~、うまいこと考えてんなぁ」と思いました。

こういう仕掛けをかましておけば、一定の力でテンションをかけ続けることができるので、僕がよくやっているテンションを軽く掛けた状態で前後に車を揺すり、車の向きを変えていったり、タイヤの向きを負担を少なくして変えていく操作に使い易そうだからです。

ま、今のところなくてもなんとかなっているので、もし将来的に今の装備で困ることが出てきたらそのような道具を自作してみたいと思ってます。



余談


この動画でやっているように、転倒防止で軽くテンションをかけるような使い方にも先程言ったような道具は効果的かも?と思う。

軽くテンションをかけて自走でリカバリーするときに、伸縮性のないワイヤーしかないと車やアンカーの木に負担がかかるのだが、途中に伸縮性があり、かなりのテンションが自然にかけれる仕組みがあれば、自走で抜けたときにも負担が少ないですからね。

また、「ガン!」と不意に大きな衝撃がかかるようなことが想定される場合、ハンドウインチなどは怖くて使えないが、途中にバッファをかますことが出来たら、壊れる確率は減らせれるかもしれません。

牽引ネタも考え始めると奥が深いので、考えすぎると眠れなくなってしまいますねぇ~。

【ランクル70】 動画に字幕を加えてみました

  動画は多く残すようにしているのですが、本数が多いのでタイトルや詳細説明を全ての動画にするのはなかなか時間がなくて出来ません。

そこで、とりあえず自分が絡んでいる数本に動画の中に字幕を入れて、解説をしてみたので良ければ動画を見てやってください。

そのときにどんなことを気にしながら走っていたのか、などがわかると思います。

※携帯電話で見ると、字幕が表示されない場合があります。なるべくPCでご覧ください。

※このサイトで見ると文字が小さいのでYouTubeに移動してもらって見た方がしっかり読めると思います



これは一度、紹介したこともある、某廃道での登り。ウインチングで通過しています。



一度、斜面を登らせておいてから、ウインチを送り出ししながら、フロントを流している例です。

廃道などを走っていると、岩や斜面をこのようにかわさないといけないことが多いのですが、非常によく使う技です。

よく、自走で「揺り返し」という技を使って車の向きを少しずつ無理なく変えていく方法を使ってますが、今回はそれの「ウインチング版」です。

ここでは40度程度の大したことない斜面で使ってますが、ウインチワイヤーで転倒を防止させながらフロントをズリ落としていく技は、70度くらいの斜面までなら安全に狙っていけますね。

自走オンリーで70度の斜面でキャンバー走行を安全に狙える車は・・・

四駆ではおそらく存在しないでしょうね(笑)




この動画は同じ場所の下りです。



動画の字幕では、岩場など凸凹がある地形を下る際によく使う、「荷重移動」について書いています。

「荷重移動」というと、ジムニーのポンポンと飛び跳ねていくような走りをする際によく使うのは耳にするのですが、重量級の車でそんな話をしているのはまず僕は聞いたことがありません。

自分のような重量級のランクルの場合は、あそこまで派手にやってしまうと壊してしまうので、「積極的に”揺らす”」ことで起こる荷重移動を利用し、少ないトルクで段差にタイヤを乗せたりするときに非常によく使います。

ちなみにこの技、前後に車を微妙に動かすことになるので、この走り方をトライアルでやっちゃうと、細かい減点を大量に喰らうことに(笑)




案の定、斜面に張り付いてしまったので安全策でウインチングに移行しています。



このポイントで使えるアンカーの木はやたらと細いものばかりでしたので複数アンカーを使っていますが、


これでは、リアのオーバーハングが押し付けられることになるので、滑車を使い、車のボディ全体を横方向にテンションをかける方法に切り替えました。



この時間帯は凄いですね、ものの10分ほどで真っ暗になってます(汗)

ちなみにさらに数分後にはこんな状態。



暗くなると難易度や危険値はいきなり跳ね上がるので、撤退する時間は注意しないといけませんねぇ。



こちらの動画は少し時間がさかのぼり、10月14日にスポランで行なったLCCOの初心者向け講習会での1シーン。





なかなかツッコミどころ満載の動画なので字幕をつけてみました。

まぁ、自走の方は随分と走り込みをさせているので初心者の中ではソコソコの腕を持ってきたと思うのですが、牽引の方はさっぱりですね(笑)

解説は残しておくので、どうやったらこういう場合、最も効率が良いのか?どうやるのが安全性が高く、車にも負担がかかりにくいのか?ということを自分の頭で考えてもらいたいですね。




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さすがにあまり親しくない方に辛辣な評価やアドバイスは出来ませんからね(^^;

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・・・こんなところでしょうか。

参加される方は出来るだけコメとかで参加表明をお願いしますね。

クロカンは奥が深い

  さて、今回は動画を1つ用意してみました。

これは今月の23日頃に開催する「飽きるほどクロカンしてみようぜ走行会(なんじゃそりゃ)」でも実際に使おうと思っている練習方法です。





■課題を決めて走らないと練習効果は全く上がらない

最近、経験だの経験値だのの話をよくしているのでよく似た話は出ているのですが、走る前に自分で課題を決めて走らないと、経験値ってのは本当にたまりません。

最近、あまり暇がないので、ロールプレイングゲーム(RPG)はしなくなりましたが、例えば「ドラクエ」などは、まあ普通にプレイすれば3日とか4日とか、長くても一週間もあれば最後のボスキャラを倒してクリアしちゃいます。


クロカンで上手くなるのも経験値を効果的に貯めねばならないよね、とは思うのですが、ゲームの中での話と、実際のクロカンではものすごく大きく異なる点があると思っています。

それは、「道具の扱い」についてです。


ロープレの場合、ゲームの目的というのは、「なるべく良い武器や防具を揃えて強敵を倒して経験値をドカンと溜めて、レベルアップする」というものだと思うのですが、

同じ感覚でクロカンをすると、良い道具を手に入れた途端にレベルアップが止まります(苦笑)。


ただ、ある程度の戦闘力がない車だと、確かに入っていけないポイントなどもあるので、最初から”ある程度”は必要だと思うのですが、これはあくまでも”ある程度”です。


僕が仮にロープレのゲームバランスを考えるとしたら、例えばレベル1の人がロトの剣などを手に入れたとして、戦闘に持ち込んで振り回そうとしても全く振れなくてアウトだとか(笑)、最強の防具を着けても重くて動けない(笑)、みたいにしてしまうでしょうね。

また、ひと振りごとにHPが大幅減とか、怪我してしばらく動けなくなるとか(笑)。

怪我を治すのに大金が必要で、そのお金を稼ごうとしたら働かなくてはいけないので戦えないので経験値も貯まらないとか(笑)。

ま、現実的なことを考えるとこんなもんでしょう。


例えは良くないかもしれないので、ちょっとわかりにくくなったかもしれませんが、こんな感じで、その人のレベルに合わせた地形や車の装備に敢えて留めていくということは必要なんじゃないかと思います。


■ホームグラウンドを持っておくべきだ

僕の場合の”ホーム”はスポーツランド岡山。

コースに入ってもいいのだが、広場だけで遊ぶ日もある。

以前は「某所の広場」だったのだが、最近入る機会がメッキリ少なくなったので、今はスポラン岡山ということにしている。



今はめっきり脚回りをイジることもなくなったし、タイヤを頻繁に交換したり、グルービングとかもすることはなくなったのだが、以前はちょっと手を入れたら走りに行って確認してたり、

暇があればホームで走り込みをしていました。

走り込みをするときは単独行が多かったので、僕以外の人が走っているのを全て見たというわけではないのだが、おそらくだが、某所の広場で走り込みをした人間の中では間違いなくトップ1か2に入るほど長時間、あそこで走り込みをしたんじゃないかと思っている。


ちなみに、ものすごく長時間、あそこで走り回ったが、一度もクラッチを焼いたこともないし、ドライブシャフトやデフを割ったこともない。

Uボルトは何度か折れたが、いつも予備を持ち歩いていたので交換をちゃっちゃと済ませてまた走り込みをしていたものです。


同じ処で同じようなラインで同じ走り方や操作を繰り返し練習し続けたので、自分自身の調子が良いときや悪い時はすぐわかったし、脚回りなどのセッティングなども良いか悪いかはすぐ分かったものだ。

そういう意味もあって、自分のホームは持っておいたほうが良いと思っている。


■同じ場所を何百回も走る目的とは

僕はよくオフを走っていて、「ほんじゃここをあと100回走ってみよう」とか言うことがありますが、あれを冗談と思った人も多くいると思いますが、あれは本気です。

というのも自分は最低それくらいは似た地形で走り込みをしているからです。


ホームなどの徘徊ルートなどだともっと突出していて、場合によっては数千回は走っているポイントなどもあると思います。

ただ、そのポイントはものすごく簡単な地形が大半を占めています。


例えば、この動画のポイントなど非常にカンタンですよね。



人によっては「走る価値がないポイント」くらいにしか思わないかもしれません。

ですが、同じ場所を何度も走るうちに掴めてくる感覚とか、同じように走っているように傍から見ていれば思うかもしれないのだが、毎回、少しずつラインを変えてよりグリップが得難いラインを選択してみるとか、

走るたびに走行スピードを抑えて走ってみるとか、今回の動画みたいに自分で踏んだときに掘った穴をタイヤで均しながら走ってみるとか、場所によってはブレーキチョークなどの技を使ってみたり、やることは地味ですが色々あるものです。

脚が伸びて、タイヤがギリギリ地面に接触する処を選りながら、タイヤのブロックパターンの1つ1つが地面を掴んで引っ掻くのを感じながら、最大のグリップ を得るようにタイヤの回転速度をギリギリまで落として・・・みたいなことをしていたら、それだけで結構堪能できることもあります。

また、自走だけでなく、最初から引っ張ることも想定しながら自走&牽引を堪能してもいいですし、”クロカン”というのは本当に奥が深いですし、走り込みのメニューも考え次第では非常に豊富にあると思います。

”感覚”というものは、わずか1度や2度程度走ったくらいでは絶対得られるものではないですし、”限界域”の操作や感覚というものは、さらに得ることが難 しいので、特にこれからクロカンをしようとか、すでにされている方も、比較的優しい地形を利用し、徹底した走り込みをすることをオススメしているというわ けです。


■クロカンは奥が深い

走り込みはいろんなことを教えてくれる。

無理な改造を施している車は、その無理なポイントがすぐ現れてくるし、

車に負担をかける下手クソな運転技術しかない場合も、”故障”などの症状が出てくることでドライバーに自分の現状の姿を教えてくれる。


走り込みをしていると、例えば脚の動きを限界まで追求している車の場合、リーフ車の場合などはブッシュの消耗が極端に早かったり、ショックが折れたり、リーフが折れたりとロクなことがなかったりする。

だが、走り込みに耐える脚回りのセッティングやタイヤのチョイス(わざと小径のタイヤやグリップ力が悪いタイヤなどを履くこと)をしてみても、思った以上に走破性に悪い影響が出てこないということに気が付くだろう。

逆に、動かない脚回りは、キャンバー走行での安定性にもつながることが多いので走れる場所は増えると気が付くことがありますし、

小さい径のタイヤでも走り込みを行うことで、腹下の引っかかりなどを少なくするラインを選ぶことで思った以上の走破性が引き出せるということが多いものです。

(小径タイヤの方がラクにクローリングが出来るのでラインを選び易い)


確かに脚回りをイジって走破性の変化を楽しんだり、タイヤのチョイスを変えたりしてみることは楽しい。

だが、これは僕に言わせたらなのだが、車への熟練度も上がってないのに、先に車をイジりまくるのは意味がないように感じられて仕方がない。


例えばメーカーのテストドライバーやF1パイロットなどはほんの少しのセッティングの違いがわかるセンサーを持っているというが、極端なことをいうと、彼らほど走り込みなどを本気でしているからこそそういうのがわかるのであって、

ほとんど走り込みもしてない「武器や防具だけレベルが高いものを身につけている中身は初心者」がそれらを持っても、本当に違いを感じれているとはとても思えないし、逆に体を壊したりお金だけ消耗するようなことにしか繋がらないように感じる。


ホームグラウンドを決め、巡回ルートなどを決め、自分なりの課題を決めて走り込みをしよう。

一応、次回の走行会は11月23~25日に予定しています。

スポーツランド岡山2泊3日飽きるまでクロカンしようぜ走行会

僕は23日の晩から参加予定にしておりますが、可能な限り走り込みにも参加しようと思います。

グランドアンカーで遊ぼう

 すごく遅くなってしまいましたが、グランドアンカーについての記事を少々・・

私が以前使っていたのは、L字アングル(L字型のアングル材)を2~3本。

これと、一般的に出回っている溝を塞ぐグレーチングを組み合わせる方法でした。

L字のアングル材の先端を斜めにカットして、地面に刺さりやすくしているのと、反対側には穴を空け、S字フックやUシャックル、ワイヤーなどを通す使い方をします。

この写真のものは随分と錆だらけ(笑)

正直、かなりの重さがあるシロモノですね。


使い方としては、1本で使う場合はこんな感じ。



引っ張る方向に対して、やや斜めに埋め込むのがコツですね。

真っ直ぐ植え過ぎるとオジギをしてしまい、斜めに植え過ぎると地表を掘り起こしてしまい抜けてしまいます。

具体的に何度で埋めるのが理想なのか知りませんが、20度~30度ほど傾けるのがいいんじゃないかなと思いますね。


複数の杭とグレーチングを組み合わせる場合はこんな感じ。



この場合は、杭は真っ直ぐ打ち込めば良いですし、テントやタープで使っているペグなどを大量に埋め込んでもかなり効果があります。

ペグや杭を打ち込むのには、せっとう(大型の金槌)でもいいのですが、最初に紹介した大きなL型のチャンネル材を打ち込むときは、大ハンマーがあると便利ですね。






僕が最初にグランドアンカーを使ったのは今から20年以上前で、まだランクルに乗っていない頃でした。

思い返せば丁度季節も11月頃で、僕がまだランクルを買っていない時だったのでおそらく21~22年ほど前のことだったと思います。

その日は、雨が降っていて、時間は23時頃だったと思うのですが、めちゃくちゃ寒かったのを記憶しています。


嬉しくなって乗り回していると河原のちょっとした水たまりに入ると、すぐ動かなくなってしまいました。

その車は友人のランクル80で前後デフロックも付いた車だったのですが、なんせ納車2日目でまだノーマルタイヤ。

今考えると信じられないほど大したことない泥でスタックしてしまいました。

その80にはM8000を搭載していたのですが、なんせだだっぴろい河原ということで周囲数百メートルにアンカーになりそうなものが全くありませんでした。

また、友人でクロカン車に乗っている人が誰ひとりいない時期だったということもあり、なんとか手持ちの道具などを使って脱出しようということになりました。


雨の中、全身ズブ濡れになりながら、何か道具になりそうなものを探して河原をウロウロしてたら、少し離れた処に遺跡の発掘現場があり、そこに進入禁止用のゲートが作られていました。

そこで転がっていた足場用の丸パイプを引っ張ってきて、こんな風に地面に埋め込んでウインチで脱出しました。



地面がぬかるんでいたってこともあって、ウインチの力で地面に埋め込みながら、パイプを斜めに埋め込み、泥の海から脱出させました。





この場合、ウインチの牽引力で地面に埋め込んで行くので、埋め込む角度は極端なほど地面に対して平行に近い。

欠点は、ひとりではちょっと無理だとか、ウインチで引きながら差し込んでいくので、ちょっと安全面で問題アリという処か・・・。

まぁ、これは応急処置ということでカンベンして欲しいのだが、こういうリカバリーの方法もあるってことは知っておいて損はないかもしれない。


このとき、脱出にかかった時間は1時間ほどかかったのですが、今思っても楽しかったですね。

その日、友人のひとりは車から出ず、自己レスキューの手伝いを全くしなかったのですが、ものすごい顰蹙を買いました(笑)


一度埋めた杭の引き抜き方ですが、埋めた方向の反対側から車やウインチ、ハンドウインチなどで引いてやればカンタンに抜けます。

また、そんな面倒なことをしなくても、バールでコジれば抜けるとか、ハンマー等で横からゴンゴンと叩いてやるなどで抜くことも出来ます。


あと、やったことはないのですが、クワやジョレンとかスコップで縦に溝を掘り、スペアタイヤを縦に3/4ほど埋め、それをアンカーにして引くということなどがあります。

また、これは実際にやったことがある手としては、グレーチングを縦に埋め、それにウインチのフックを引っ掛け、引っ張ったこともありますね。

また、グレーチングを地面に敷き、小型のバールを杭の代わりに打ち込んでアンカーにしたこともありました。

(L字型の長い方を地面に打ち込む)


最初にスタックしたときのリカバリーもそうでしたが、案外、いろんなものがアンカーの代わりになるものですのです。

また、機会があったら、こういう遊びをしてもいいですねぇ。


■余談

庭に転がっていた、ランクル70系のフェアリード付きのノーマルバンパー。



ちなみに上の上下のフェアリードの幅が広いのがBJ74VのPTOウインチ用のバンパー。(見にくいか?)

下側の上下が狭いフェアリードは、PZJ70の電動ウインチ用のフェアリード。

自分のバンパーは、BJのPTOウインチ用のフェアリードの間隔を狭くしたものをずっと使っている。

ウォーンなどのフェアリードも買うと高いのでこういう時はノーマルを使っていて助かる。



■余談2

庭の隅に転がっている純正の横型電動ウインチとPTOウインチ。



手前に転がっているので電動ウインチのモーター。

このモーターはシャフトの径などが一緒なので、旧型の縦型ウインチでもポン付け出来る。

手前にさらに転がっているのは大量の黒ワイヤー。

ガリガリに引っ張り倒す走りがしたいときは、これらを載せて走りに行く。

前にも言ったが、グランドアンカーの代用として、大量の延長ワイヤーがあれば良いことも多い。

洞察力を磨く

  ■洞察力を磨く

「どうやったら効率的に、お金をかけずに四駆を操る能力が上手くなるだろうか?」

これが僕にとって四駆の一番の命題なのだが、そのために最も必要な能力が「洞察力」だと思っている。

ここでは、洞察力について少し書いてみたいと思います。


■経験と経験値の違い

「四駆でのクロカン」というのは、割と息が短い趣味だと思っているので、20年前も今も同じように走っている人というのはかなり激減しているのだが、

それでもいつまで経っても昔のまま、という人もいる。

これについてはいろんな解釈があると思うのだが、僕は2つのことを思っている。

一つは、「経験は積んでいるのだが経験値が溜まっていない」という場合。

これはロールプレイングゲームなどを思い浮かべてみればよくわかるのだが、例えば”ドラクエ”などで言うと、最初に出てくるスライムを倒すと最初のうちはレベルアップするが、

レベルが上がるにつれ、だんだんとレベルアップが難しくなっていく。

つまり、いつまで経っても上手くならない人というのは、いつまでも雑魚キャラばかりを倒す”経験”はしていても必要な”経験値”が全くたまらないため、レベルが上がらないというわけだ。

(これと同じ例えは以前のCCV誌でも出てましたネ)


もう一つは、「経験そのものも積んでいない」という単純な場合。この2つだ。


■経験そのものを積んでいない人

”四駆でのクロカン”というものは完全な趣味だし、お金儲けの手段でも派手な走りを魅せてナンボのエンターテイメントでも何でもないので、別に走りが上手くなくてもイイ。

四駆に楽しみというのは人によっていろいろあるだろう。

車をイジるのが好きな人もいれば、共通の趣味を持つ人と語り合うことが好きな人もいる。

走りに来てもほとんど走らず、友人とお話をすることが好きな人もいるし、観ているだけの人もいる。

それはそれでいいのだが、個人的に僕は「なるべくなら上手くなりたい」と思っているのでこんな記事を書いています。


今でこそ、自分がハンドルを握っていることが少なくなったのだが、これまでは走りに来ていたのなら、誰よりも早く走り始め、誰よりも長く走っていたものだ。

だから思うのだが、ほとんどの人は本当に走らない(笑)。


ただ、車によってはクラッチを冷やしながら走った方がいいとか、ATFを冷ましながら走った方が良いという車もあるので、2時間も3時間もぶっ続けで走るということが良いというわけではないのだが、

それでも例えば8時間走れるのであれば、車を休めながら実質5時間は車を運転したり牽引などしている時間は取れる。

ここではその時間のことを「実働時間」と呼ぶことにします。



■実働時間をいかにして増やすか

10台くらいで走りに行くと、一度コースに入って出るまでに半日くらいかかったりすることも珍しくない。

つまり、3時間ほどかけてわずかコースを一周程度しか出来ないってことも非常に多くある。

これでは経験値を効率良く貯めるために、まず経験自体を積むってことも困難だ。


これはアチコチの記事で書いてあることだが、長い隊列を組んでズラズラと走っているときも僕は誘導だとかアドバイスはほとんどしない。

ただ、見ていられないときやあまりにも危険な行為などが見受けられるときだけ声をかけたり、レスキューなどの申し出はするが、

大体は嘘ばっかりしゃべって遊んでいたり、突っ込んで遊んでいたりする(笑)。

アドバイスや誘導をしないのは、単純に走っている人に上手くなってもらいたいからです。

まぁ、そんなだから台数が増えてくると、ますます自分が走る時間が減ってしまうわけなので、あまり多くの台数で走るのは正直、あまり好きじゃないわけだ。


そこで私の場合は、「単独行」や、「3~4台程度の小隊」に分かれて行動することをメインにしていつも走っている。

大体、10台も20台もいても、他人の走りを観察するのは自分の前後数台がやっとだし、

それだけ台数がいたら、中には極めて初心者の方が混じっていることも多くなるし、車の損傷、転倒なども出てくるので全く進まなくなることも珍しくない。


■「誰と小隊を組むか」が重要になってくる

絡んでくれる人がいるときは悩まなくて済むのだが、なかなか会うことが出来ない人などがおられる場合は、積極的に絡ませてもらい、一緒に走らせてもらうようにしている。

これも人によってシキタリなどがある場合もあるのだが、人によっては遠方から来られた方に先頭を走ってもらう処もあるし、

うちのように自分がなるべく先を走って、最初は後追いしてもらうという場合もある。

自分の場合は、走る処の難易度が低い場合は自分が先行し、走る処の難易度が高い場合は来られた方に先頭を走ってもらうことが多い。

岡山近辺の場合なら、例えばスポーツランド岡山など、走る場所を選ばないと遊べないコースなどでは自分が先行することが多いが、

廃道アタックなどになると、初めて来られた方などに先頭を任せることが多い。

せっかく来られた方に楽しんでもらうための工夫だ。


自分の場合は、なるべく一緒に走る人は”走りの上手い人”を選ぶようにしている。

(最近はそればかりではないが)

特に前後の車は非常に重要ですね。

運転席に座ったままで走りを見ることが出来るのはやっぱり直前を走っている車か、真後ろの車だけしかありませんから。

だから、どうせ走るなら上手くなりたいと思うのであれば、躊躇することなく「これは」と思う人を捕まえて、前後どちらかを走らせてもらうようにした方がいい。

遠慮するだけ損だ。

多くても3~4台、それも経験車が多い小隊なら実働時間を効果的に増やすことが出来るし、何より上手な人や観察しておきたい人の走りを目の当たりにすることが出来るので上達は早いと思う。

また、どうせ自分の走りを見てもらうのも、上手な人に見てもらった方が的確なアドバイスやツッコミを入れてもらえるので、それも自分にとっての貴重な”経験値”になるだろう。




■経験値の積み方

これは僕の考え方かもしれないが、僕は険しい処を走らなければ経験値は積めないとは思っていない。

人やチームによると「険しい処を走ってナンボ」とか、「引っ張らないと進めないような処まで入っていってナンボ」みたいに思われている処もあるようだが、

最近では険しい処などを見つけるのも一苦労なので、そういう場所に行かなければ腕が磨けない、というのでは実際、経験値がいつまで経っても貯まらないし、

今後はますます腕を磨くのが厳しい状況になっていくだろうと思っている。

また、車も前後リジットの車で新車が国内でリリースされているのがそもそもジムニーだけというお寒い状況なので、これから乗る車は強度的に不安を抱えているものなどが増えてくるのはどうしようもないことだろう。

だから、僕がクロカンを始めた当初ほど、無茶苦茶な使い方は許されなくなってくるだろうと思われるので、ますます比較的カンタンな地形でも腕が磨けるようにしなければいけないわけだ。

私が走る度に課題を考えたり、細かい処にこだわるのはそういう理由があるからなのだ。

また、車そのものに走破性を与えすぎないのも、腕を磨くことを最優先するのと、操る楽しみをスポイルさせたくないからだ。

走破性が高い車というのは、極端な話、誰が運転してなくても、ハンドルを固定して、チョークを引っ張っておくだけで勝手に走破してしまうことが多くなる。

こうなると何が面白いのか?ということになってしまうので、僕は走るコースなどに合わせて、走破性は極端に上げないようにしている。

「一発で走りきる」ということにこだわらず、極力エンジンの回転数を抑えて這うクローリングと、積極的に前後に車を動かしながら地形と相談しながら走るのも、

車をなるべく労わって走れば、車を傷めず何度も走ることが出来るので、効率的に実働時間を増やすことが出来るので経験値を積むことが可能だと思うのだ。

車の走破性が極端に高くなければ、それほど厳しい場所ばかりを攻めずに腕を磨くことが出来るので、練習する場所も多く選ぶことが出来る。

エンジンの回転速度を抑えることにこだわるのは、より低速で車を動かすことで、より細かく地形からの情報を自分の中で処理することが出来るようになるためだし、

また細かく精密な操作をしたいからだ。

僕は「車の移動速度を抑える方が、正確で細かい操作ができるようになる」と思っている。

だが、エンジンを粘らせるということは、極めようとするとキリがないほど難しいことなので、普段から徹底的に練習して感覚を磨いておかねばカンタンに出来るものではない。

だから普段から走る前などの足慣らしも兼ねて、平地やちょっとした起伏を利用してエンジンを粘らせる練習からするようにしている。

険しい地形に入っていくことは、簡単な地形でみっちり過ぎるほどみっちり練習した後でも全然遅くない。

ほんの少しの段差や斜面さえあれば、ブレーキチョークの練習はもちろん、エンジンを粘らせる練習、わざと対角線スタックに持ち込む練習、前後に車を揺らす練習など数多くの練習が出来る。

逆に言うと、平地に近い処でそれらが出来ないのに、いきなり険しい処に入っていくのは十年早い。

特にこれらの練習は初心者のうちは必要だが、ある程度運転に慣れている中級クラス以上の人もものすごく重要だと思っています。




■さらに磨かねばならないのは「洞察力」

ここまで書いたのは主に「運転技術」についてだが、実際の処、四駆を操る上で最も重要なスキルに「洞察力」というものがあると思っています。

パッと地形を見たときに、どのラインならカンタンで、どのラインなら走破できなくて、どのラインならギリギリ通過出来るのか、ということなどを正確に見極めることが出来る「目」が「洞察力」です。

これを養うのにまず重要なのは、「他人や自分の走りをまずしっかり見る」ということです。

先日の記事で「自分が走っている処を動画で撮って、何度も確認する」と言ったのも、この洞察力を鍛えるためです。

僕が他人にアドバイスしないのは、自分で考えることで洞察力や判断力などを鍛えて欲しいからです。

洞察力を鍛えるには、運転席に座りっぱなしではまずお話になりません。

これから走ろうとしている地形を自分の足や手で触り、表面の状態や傾き、微妙な凸凹などを全て自分自身で確認すべきですね。

そしてその地形を覚えた後で、自分で走って初めて「走った」ということになるのです。

適当に運転席に乗っているだけで得られる地形の情報は本当に限られてますし、

もしそれだけで上手くなると思っているのであれば、これまで相当、時間を無駄にしてきたんじゃないかと思います。

最低でも、地形を見たときに自分の車ではどこにタイヤが来て、どのくらいでタイヤが浮くかとか、斜面に対してどのくらいボディが接近するか、シャックルや脚回りの部品やデフなどがヒットしないか、

などがある程度は正確にイメージできねばなりません。

これができていないのに走っているというのは単純に「車に運んでもらっているだけで、貴方が車を操っているのではない」ということを覚えておいてください。




■どうせなら「車に運ばれるドライバー」より「車を自由に操れるドライバー」に

今回は「いかにして経験値を短期間で効率良く積むか」ということについて書かせてもらいました。

もちろん、自分たちのコダワリとか考えとか、伝統などもあると思いますし、僕の考えが必ずしも正しいとは思っていないので反論等あるかもしれませんが、これは1つの案だと思っておいてください。

ただ、四駆でクロカンしていてよく思うのが、誰も正しい練習法を知らないとか、科学的なアプローチや、他の業界などでは当たり前な練習方法などが、なぜか四駆のクロカンの業界ではほとんどと言っていいほど普及していないと思うのです。

経験値というのは何も考えずに同じことを繰り返すだけでは貯まることはありませんが、

だからといって、険しい地形を走らねば貯まらないというわけではない。

工夫次第でいくらでも貯めることが出来ると思うのだが、逆にいえば頭を使って練習せねば、いくら走ってもなかなか上手くはなれない。

私は趣味で四駆でのクロカンという遊びをしてますが、

どうせするなら車に乗せてもらって運んでもらうただのドライバーではなく、自分の車の能力を極力引っ張り出せ地形との対話などを楽しむことが出来るドライバーになりたい。

貴方はどう思いますか?

(良ければコメントに何でも意見を残してください)

悪循環

■悪循環


実は、同じテーマの記事を今から丁度10年前に書いたことがある。

だが、10年経つと考え方も少し変わってきているということもあるので、44歳になった今の考え方を残しておきたいと思います。



■モータースポーツは”重さ”との戦い


本当に”クロカン”というものは奥が深い。

通常、”モータースポーツ”と呼ばれるものは、「いかに軽くするか」を競うことが多いのだが、

こと、廃道アタックや牽引なども含めたヘビークロカンとなると、「いかに軽くするか」ということは極端な話、最重要課題ではなくなると思っています。


私の場合、”四輪駆動車での最重要の条件”は、走破性や軽さやボディの小ささではなく、”家まで自走で無事に帰れる耐久性と汎用性の高さとコストパフォーマンスの良さ”だと思っている。

そんなこんなで、前後リーフのランクルというある意味、”温室”に肩までドップリとつかってしまっているので、自分でもどうなんかなぁ~?と疑問に思わないでもないのだが、

まぁ、僕の世代は前後リジットだったオールドランクルや、サファリなどディーゼルの重量級で心おきなくヘビークロカンが出来た、特権的な最後の世代だったということでクロカンを引退するまでこれらと戯れて遊べればいいな、と思っています。


「最重要の条件は重さではない」とは言ったが、クロカンにおいても無用な重量化は走破性の劣化や駆動系や操舵系への負担を大きくしてしまうことなので、良いことではない。

もちろん、クロカンでは付き物の”転倒”時にも、重量がある車の場合は被害が大きくなるので、「重量化」というのは本当に考えねばならない。


・・・ただ、僕は20年近くクロカンしてきて思うのが、「ある意味での見切り」が必要なんじゃないかな?ということです。



■「ある意味での見切り」って?


これは車種や、それぞれの得意分野が違うのでどの車にも一概に合う法則というものはないと思っているのだが、

例えば自分の車のように2t近くもある重量級ディーゼル車の場合、「派手な転倒は間違ってもさせるべきじゃない」と思っています。


以前、僕は自分の車で一回転をやらかしたことがありますが、その時入れていたロールケージは4点式で、センターピラーから後ろのみを保護するような作りになっていました。

ですが、フロントヘビーなランクル短の場合、裏返ると運転席の先端部と、ボンネットが地面と接地するので、センターピラーより後ろのロールバーなど、ものの役に立たなかった。

お陰で、フロントウインドーは思い切り手前に潰れ、もう少しでフロントウインドと頭が当たる処だった。




それ以降、今付けている6点式のロールケージを入れているのだが、これも作りは非常に華奢なもので、また別の機会に裏返ったら(正確に言うと裏返ったが運転席側への横倒しに戻った)

ロールケージが見事に歪み、フロントウインドーやインパネなどを派手に破損させてくれた。

それ以降、横倒しや壁に寄っかかるのでいうと100回以上はやっていると思うのだが、ゆっくりと寄っかかる程度なら問題ないのだが、派手に勢いがついたまま転倒したりすることはない。


ロールケージは各部にジョイントが入っているものなので、設置はラクなのだが強度的にはかなり弱い。

本来ならジョイントを溶接で潰すとか、トラスを入れて強度アップとか、もっと強度のあるワンオフ品を入れてみる・・・などをしてもいいのだろうが、僕は敢えてしなかった。

強度アップしても良かったのだが、重量級での補強はキリがないと思ったし、今のままでも斜面に寄っかかる程度なら被害はほとんどないし、

今は「斜面に寄っかからない腕を獲得することやボディを痛めない方法を採るということ」がメインのクロカンをしているので、派手に車を潰すような使い方は最初からしないようにしているからだ。

「自分の腕で問題なく行ける可能性が高い」⇒「そのまま続行」

「車を派手に潰す可能性がある」⇒「壊さないようにチルやウインチで補助するか、撤退する」

この判断はなるべく早く、行動もなるべく迅速に行いたいと思っている。


だから、僕の車の場合は、一回転しても大丈夫な強度は必要としてないし、またそれらの危険性が高い場所にうかつに近寄らないようにしている。

どこにでも行ける走破性を持たせることがクロカンだと思っている人もおられるだろうが、それらを追求することはキリがないと思っているし、

それらを持たせないからこそ楽しめるクロカンというものもあると思っているので、車をイジるのにも一定のラインで止めておくようにしている。

※これはあくまでも僕自身のこだわりとか考えなので、別に全ての人がこうしなければいけないと思っているわけではありません





■貴方が望む性能がクロカンでベストなものとは限らない


重量級の車で谷底に転げ落ちて平気なほど頑強な車にするには本当にキリがない。

少々、何があっても困らないように本当にしたいのであればこれくらいしなければいけないのだろうが(笑)、


エクスペンダブルズ2の冒頭に登場する完全武装のランドローバー

僕らは「走って楽しむ」ということがメインなハズなので、車を補強し過ぎることで重くさせ過ぎてしまい、転倒限界を下げてしまったりとか、

腕を磨こうと走り込みをしようにもデフやドラシャが走るたびに破損したり、操舵系などを痛めてしまうのでは、走り込みで山にいるより修理工場の方にいる時間が長くなってしまうという本末転倒なことをしてしまうことは意味がない。


これはギア比のダウンやエンジンのパワーアップなどにも言える。

ランクル70でPZJ/HZJになってからはフロントデフが8吋にサイズダウンされたのだが、フロントデフが小さくなってしまっているため、デフのファイナルダウンをしている車はあまり良い話を聞かない。

うちにも、フロント用の4.556と思しきリングギアとピニオンギアが転がっているのだが、交換予定はない。

またエンジンのパワーアップも同様で、クロカンでは下手にエンジンの力がない方が助けられる場合も多いということは知っておいた方がいい。


僕が重量級のクロカン車でクロカンをしていて、良いなと思うのが、「重量級でのクロカンは特に移動速度が遅いため、反射速度や運動神経などに頼る必要がほとんどなく、

洞察力、予測力、地形の読みや想像力などを総称した経験値やタイヤやシートなどから伝わってくる感触を頼りに見えないものを見て走ることは年齢とともに衰えることはほとんどない」ということだ。


例えば、「車をボコらないと走れない」とか、「毎年ドライブシャフトやデフが必ず壊れるので修理」とか、「タイヤの美味しい部分がなくなったら即交換」みたいな走り方って、

お金が非常にかかったり、若いうちしかできなかったり、出来る人も結局限られてくるので、そういうクロカンをやっている人は回転が早い(始める人も多いのだが辞める人も多い)んじゃないか?って思う。


過度に走破性のみに頼ったり、過度にボディの補強をしたり、過度に脚回りの強化をしたり、過度にエンジンのパワーアップをする・・・これらは「悪循環」に陥ることが多いと思う。

もちろん、過度に牽引に頼ることも、車を繊細に扱う楽しみを損なうことがあるので、これも悪循環に陥ることがある。

やっぱり何事も「ほどほど」が一番だと思う。



■余談その1

ちなみに、こんなセコいことを言わず、ガンガン潰して、高い部品を交換してくれた方が日本や世界の経済のことを思えばいいのかもしれない。

セコいことを考えるのは僕みたいな貧乏人だけでいいのかも?(笑)

動画を使ったクロカン上達法

 ■もはやタダ同然の動画環境

デジカメが市場に出始めた頃、静止画しか撮れないようなものが10万円弱もしていた。

私も以前はムービーの製造工場で働いていたのだが、最初の頃のものは業務用のものでなくても20万円くらいは平気でしていた。

今では、普段持ち歩いているスマートフォンにかなり優秀な動画用のカメラが載っているので、特別、綺麗な動画を撮ろうなどと考えなければ”ほとんどタダ(無料)”で動画を撮ることが出来る環境が手に入るような時代になった。

私の場合は、アイフォンを使っているので、撮った動画はそのままPCに繋げばあっと言う間にPCに転送出来るし、それをそのままYouTubeにフォルダごとアップすることが出来るので、

昔みたいにVHSのカセットテープが家に溢れることもなくなったし、ハードディスクがすぐ満タンになってしまい、ハードディスクを買い足したり、DVDなどを購入したりする必要もなくなった。

YouTubeだけに残しておくのが怖いのであれば、他の動画共有サイトが最低でも2~30個はあるので、それらに分散して動画をアップしておけば、よほどのことがない限りなくなってしまうことはないだろう。





■動画を使わねばモッタイナイ

僕はかなり昔からムービーを持っていたということもあり、四駆に乗り始めた当初の動画なども残っている。

ただ、当時はビデオカセットなども結構高価だったということもあるので、今みたいに毎回走りに行った動画が残っているようなことはない。

それを思えば、Jr.などは四駆に乗り始めた当初から、ほぼ毎回、それもかなりの頻度で動画が残っているので、自分の走りなどを後から見直してみることなどが非常に簡単だ。


今のところ、自分たちが走るときは、僕が走る時はJr.に動画を撮ってもらい、その逆の時は僕がJr.の動画を撮るようにしている。

理由はカンタンで、「少しでも早く上達するため」だ。



■自己マンにならないためには外からの目線が必要

何が誤魔化せないと言って、「動画」で残った走りほど誤魔化せないものはない。

アホな会話が残ることがあるのはご愛嬌だが、楽しかった記録を残すという目的だけでなく、「走りの解析」に動画をもっと積極的に活用すべきだと思う。

これはプロの競技などの世界では当たり前のことなのだが、自分のスイングやプレーなどを動画に撮って見直してみるとか、対戦相手のプレーなどを動画に撮って研究することなどは当然のことのようにされている。


これが四駆の世界ではどうか・・というと、どちらかというと楽しかった記録を残してウェブで公開というような使い方をされている方は多いと思うが、

うちみたいに自分たちの走りの解析をメインに動画を残しまくっているというのはかなり少数派じゃないだろうかと思う。


四駆の運転席に乗っていて得られる情報量というものは非常に少ない。

以前、あるショップのデモカーが完全にボディがない、スケルトンのランクルだったことがあるのだが、乗させてもらってビックリ。

エンジンが多少邪魔な以外は、ありとあらゆるものが手に取るようにわかるので、「こりゃ凄いな」と思ったものだ。


少し前に、アメリカの四駆の動画を特集したことがあるが、アメリカの四駆の中には邪魔なエンジンをさらにリアに回し、フロント周りの視界を極めて良くしているようなものまである。

私は運転席からの視界を良くするために左右のドアを取り外してクロカンをする機会が多いのだが、

これは大げさでもなんでもなく、ドアが付いた状態でクロカンをすると最低でも10%は走破性が落ちると思っています。

それくらい「視界」というものは大事だと思っています。


例え、ドアを外しても死角を100%無くすことは絶対出来ないのだが、死角を減らす方法もある。

1つは至るところにミラーやCCDカメラなどを設置すること。

もう1つは外から撮った画像を後から見て確認すること。

この2つだ。


実際問題、車の死角全てにCCDカメラなどを設置することは現実的ではないので、死角を減らそうとするなら、自分の感覚を磨き、「見えないのに見える」ようにしなければならない。

そのためにも絶対、「運転席から見えない様子を外から動画として残しておくことが必要」だと思うのだ。





■自分で思っているイメージと実際とは随分と違う

これは自分の経験なのだが、運転席では会心の出来だと思っているような走りをしているときの動画を後から見てみると、「なんだこりゃ?!」って思うことも珍しくない。

逆に、走っている当時は「絶対ダメだ」と思って撤退している動画などを後から見てみると、「なんだ、こうすれば良かったんじゃない」ってことも多い。

よく自分の姿や声が録画されているのを見てみると自分がイメージしていたものと違うということがあるが、それは走りや牽引の様子などについて同じことが言える。


自分では効率良く準備しているつもりが、大して効率的に見えないとか、後から冷静になって考えてみると、もっと有効な牽引方法があったとか、道具の使い方にマズい点があるなど、自分でも結構後から観察して驚くことがある。


まぁ、これは全ての人においても言えるかもしれないのだが、自分が思っているほど上手くはないのかもしれない。



■効率良く動画を残す方法

一昔前と比べると動画を撮るムービーなどは格安になり、その大量のファイルを保存しておくこともほぼ無料で出来る便利な世の中にはなったのだが、

「自分の走りを動画に残す」ということは多少面倒臭い作業と言える。

一人だけで山に走りに行った場合などは「自分撮り」以外に動画を残す方法はないのだが、これはかなり面倒臭い上に、あまり良質な動画は残せない。

以前、ムービーを持って山に行っていたころは、三脚を持って行って録画ボタンを押して車に戻り、動画を撮っては自宅のテレビで動画を再生して走りを見直してみたりしていたことがあったのだが、

あまりにも面倒だったり、車の動きをトレースしてくれるわけじゃないのでしばらくして辞めてしまった。

今は、Jr.と二人セットで動いていることが多いので、どちらかが運転しているときはどちらかが撮影出来るので、自由に動画を残せるようになったが、これは確かに便利だ。


問題はどうやったら自分が走っている処などを動画として残してもらうかなのだが、これは自分が他人の走りを撮って動画をウェブにアップしてあげる代わりに、

他人に自分のムービーや携帯電話を渡し、自分が走る処を撮ってもらうということが良いだろうと思う。


また、最近はYouTubeなどにアップしている動画をダウンロード出来るフリーソフトなどが充実してきているので、

それらを使って、他人が撮り、YouTubeにアップしてくれている自分の動画をダウンロードして、編集して自分のものとして再度アップすることも可能だ。


動画の編集は難しいように思うかもしれないが、例えばウィンドウズ機を貴方が使っているのであれば、

ウィンドウズ・ムービーメイカーとか、ウィンドウズ・ライブ・ムービーメイカーみたいに最初からPCにインストールされている簡単な動画編集ソフトなんてのもあるし、

YouTube内にも「クリエイター向けツール」という処で使える動画エディターなどがあるし、また「アナリティクス」を使えば簡単にBGMを入れたり字幕を入れることなども可能だ。


自分の動画を撮って、アップしてくれた人に了承さえ頂くことが出来たら、このように自由に自分の動画としてウェブ上に残し、いつでも自分の走りをチェックすることが出来る。



■字幕を入れるだけで随分理解度が変わってくる

僕がオススメするのは、「自分が上手くなりたいのであれば、他人に教えること」だ。

これは仕事や受験勉強などあらゆることに応用出来る技術なのだが、本当に何かで上達したいのであれば、誰でもいいので他人に教えると良い。

先程も少し書いたが、僕の仕事はメルマガを書くことというものもあるのだが、メルマガを書こうとすると、相当、その事に関しては精通していないと難しい。

逆に言うと、メルマガなどで他人に有益な情報を教えるうちに、自分自身が知らぬ間に上達しているものなのだ。

そこで動画をYouTubeにアップする上でオススメなのは、動画に字幕を入れて自分の操作の解説をしてみたり、思っているノウハウやその場の状況などを事細かに入れてみることだ。



走っていたり、後から動画だけをボーっと見てては気がつかないことも、文章などになおしてみるだけで理解度が急に深くなることがある。



■お風呂につかりながらクロカンが上達する方法

自分の場合、ウェブ上で完結する仕事をしているってこともあり、たまにだが風呂場で長湯しながら自分の会社の売上などをスマホでチェックしていたり、さらにポータブルのキーボードを持ち込み

メルマガを書いていたり、このように四駆のブログで遊んでいたりする。

今はあまりしなくなったが、以前は毎月2~3回は仕事で東京とか、遠いところでは北海道などに行っていたので、その移動の最中などではスマホ+キーボードで仕事してたものだ。

この様なことは別に仕事だけでなく、YouTubeなどにアップしておいた自分の動画などをチェックし、自分の走りのダメ出しをしたり、良いイメージを植え付ける助けをすることもできるだろうと思う。



・・・いろいろ書いたが、四駆の腕を上達させるのは別に山でハンドルを握っていないと出来ないというわけではないし、

車をボロボロにしながら極所を攻め続けないといけないというわけではないと思う。


要は、自分の走りを外から客観的に見ることで得ていく「眼力(がんりき)」であったり、地形などを見て自分の車ではどのように走れば良いのかを判断する「洞察力」、

それから、これは僕はクロカンをする上でものすごく重要なスキルだと思うのだが、これから走るラインで自分の車がどのような挙動を起こすかという「想像力」というものがクロカンの上達では不可欠だと思っている。


これらは車を壊さず、それでいて厳しい処を攻め続けるという矛盾した2つを成立させていくのに不可欠な条件だと思う。

ボディを傷めないように走るからこそ腕は磨かれる

 ■以前は主流だった凸凹ボディでのクロカン


「廃道」となると、付き物なのは、ボディを擦りそうなレの字溝や、落としたら最後のY字型溝がある道。

または、沢などの水の中にラインがある道などなど。


元々、僕の車はそういう処を得意としていたハズなのだが、前提としてボディをグシャグシャにしてもOKというものがあったので、今ではそういう走り方はしたくない




以前、僕がクロカンを始めた当初、同じクラブで走り方が極めてシャープで尊敬出来ると思っていた先輩がいた。

僕がPZJ70を買ったのも、その人と同じ車に乗りたいと思ったからなのだが、実際に僕がPZJ70を買ってからは、その人と正反対にボディをグシャグシャにする走り方に特化するようになってしまった。


まぁ、ボディをグシャグシャにしたことについて後悔はしてないし、そこまでしたからこそ得た貴重な経験があったことには間違いないので、ボディをグシャグシャにしたことについてはどうということはないのだが、

その先輩が言っていた「梶原くん、ボディを痛めないように走るからこそ、上手くなるんだよ」って言葉が、言われて15年ほど経って、意味がはっきりとわかるようになってきたと思う。





■クロカン車をめぐる環境も変わってきている


ここ数年、車検制度がかなり厳しくなってきたと感じている。

僕の車も、以前のように凸凹が多い状態では車検に通らなくなってきたので、今ではあのように「比較的マシ」なボディにしているのだが、不思議なことに今まで一度も、あの車で走っていて警察に止められたとか、職質を受けたということはない。

余談だが、以前、白のランクル60に乗って、ボディ全面を白に塗り、ボディ側面にシャレで「UN(国連軍のことね)」って書いていた時期があったのだが、

ちょうどその頃オウム事件があり、泥だらけでコースから帰っていたら検問に引っかかり、荷台に載せてあった泥だらけのスコップが見つかり、「なんじゃこりゃ!」と言われたことがあった。

ボディの凸凹具合と、職質は関係ないのねって今でも思うのだが、まぁ、凸凹なボディが良いわけはなく、グシャグシャなボディじゃないと出来ないクロカンは、淘汰されてもしかたないよね、と今では思っています。


自分の車の後ろ半分にアルミの波板を張ったりフロントフェンダーを比較的綺麗なものに替えたのは、ちょうど一旦、クロカンから引退する前だったので、実際の処、あのボディで厳しい処をゴリゴリ攻めたことはない。

だから、先日からプチ廃道アタックだとかなんだとか言っているのだが、あの状態は正直、廃道アタックには向かないねと思う。


先日、同行していたJEEPは、オーバーフェンダーなどが付いていないタイプなのだが、ボディ自体の作りがタイヤの位置に対して内側に寄っている部分が多 いとか、燃料給油口の処に鉄製のハンドルグリップが突き出していたり、フロントウインドの横にも同じようにグリップが出ているので、地形にヒットするとき はボディよりそれらのぶつけてもあまりダメージがないものが先にヒットしてくれたり、

リアのオーバーハングもランクル短よりは明らかに短いので、元々、斜面などに張り付いてもボディにダメージが及び難い形状になっていると思う。


だが、今、三菱ジープが再販になるかというとそんなことはありえないので、これから販売される車や、いまだに多く出回っている車について考えた方がいいと思う。




同じランクルでもセミロングだとか80系、サファリY60/Y61など、リアのオーバーハングが70短よりも長い車などは、元々かなり凹みを作りやすい。

では、どうやったらボディへのダメージが少なくなるのか?というと、てっとり早い手としては、スペーサーやワイドトレッドでマイナスオフセットのホイルを履いてタイヤを外に突き出すことや、

オーバーハングを思い切って切る、オーバーハングの側面に補強の板などを貼り付けるなどがある。




ただ、タイヤを外につき出すことは、4ナンバーのランクルの場合や、黄色ナンバーのジムニーの様に法令遵守(コンプライアンス)の問題があるのだがそれ以外にも、

先日からも言っているのだが、マイナスオフセットによるキングピンベアリングや操舵系へのダメージなど、特に耐久性が要求される廃道仕様としては本末転倒になる可能性もあることなので、あまり極端な改造は逆効果になることがある。

だから、「耐久性のことなども考えるとそこそこの改造にとどめておいた方がいい」というのが僕のスタンスだ。


波板をボディの側面に張り巡らせることも廃道アタックなどでは非常に有効だし、ロールケージなどをボディ外部に張り巡らせることも有効なのだが、それらは下手をすると、「下手クソ醸成機」にもなりかねないと思っている。



■車を傷めないように走るからこそ腕が磨かれる


実際、車を傷めないようにしつつ、しかもかなり厳しい処を責め続けるというのは凄く難しい。

以前ならゴリゴリ言わせながら無理に押し通すって走り方をしていた地形を、ウインチやチルなどでボディと地形が干渉しないようにしながら進んだり、

タイヤや脚回りが痛まないようにある程度あがいたら撤退したり、ウインチングなどに切り替えて前進したりしている。


先日もちょっと驚いたのだが、スワンパーは使い方を間違えるとあっという間に爪がバリバリ取れてしまう(汗)





これが無制限に「何でもOKや!」とばかりにブン廻しても見た目なんともないようなタイヤを履いているのだったら、おそらくは「タイヤをいたわりながら走ろう」などと思う機会はなかっただろう。

あのタイヤは泥の中なら無制限にブン回した使い方をすると無類な強さを発揮するのだが、岩盤質のような地形では物凄く繊細に扱わねば、一気にタイヤの旨みが消えてしまうというだけだ。

使い方を間違えるとかなりマズいってことなので、ちょっと初心者向けのタイヤではないのかもしれないが、まぁこれも「規制」の一つだと思えば楽しみの一つなのかな?とも思う。


自分の車の場合、駆動系や脚回りはかなり余裕のある70幌なので、それらを強化する必要はほとんどないのだが、普通の車は多少なりとも強化した方がよい部分があるということは知っている。


だが、「敢えて強化も最小限度に留めておく」という改造の方法でクロカンを楽しむことも、ある意味では必要じゃないのかなと思うことがある。


15年ほど前、「車を傷めないように走る方が腕が磨かれるよ」と言われたときは、「そんなんじゃ走れる処が限定されるじゃん」と思っていたものだが、

今では「敢えて自分に規制をする意味でも、車を極力傷めないように、それでいて難所を避けるのではなく挑戦し続けるような走らせ方をするのであれば、腕は短期間に大きく磨かれるんじゃないか?」と思うようになりました。


車のボディを痛めない、駆動系も痛めない、派手なボディの補強もなるべくしない、タイヤも痛めないようにしながらそれでいて厳しい地形をスルスルと抜けるようにするのは極めて難しい。

だからこそ、極める価値があると思っている。



■本当に上手い人の走りは物凄く地味なもんだ


これはどんな競技でも言えることなのだが、本当に上手い人というのはその行動の1つ1つに無駄がないので、物凄く地味に見えることが多い。

野球選手などで例を挙げればわかりやすいのかもしれないが、100%や120%の力で戦うと怪我をしてしまうので、手を抜いているというわけではないのだが、80%くらいの力を100%に見せることが非常に上手い人もおられる。


車の世界の場合、極端な話、金さえ用意出来れば車なんていくらでも再生可能なので、アスリートほど怪我などへの恐れをもつ必要はないのだが、壊すこと前提でバリバリやっている人の走りというのは、一見すると派手で上手く見えることもあるのだが、

僕のような基礎練習を徹底的に普段から行なっている人間からしてみると、運転の細部に雑なところが見えてしまったり、限界付近での車の操作がおかしいと思うことも珍しくない。


僕としては腕と車の性能が拮抗しているとか、どちらかというと車は大したことないのに、不思議とスルスルと走れてしまうような人の方が格好よく見える。


基礎練習に向く場所がないというような状況があるのかもしれないが、基礎練習中心のクロカンや、難所は走るのだが車を労わるような走り方を追求してみるのはいかがだろうか?

いつもの場所でプチ廃道アタック

いつもの場所でプチ廃道アタック いやぁ~、今回は久しぶりに自分でハンドルを多く握ってクロカンして遊べました。

Jr.は「動画が少ない」と不満気味でしたが、まぁ、険しい廃道アタックをするにはまだ少し経験値が足りないので、今日は見学という感じでよかったんじゃないでしょうかね。

静止画像の方は、愛車紹介のフォトの方に載せているのでそちらもごらんください。

動画はYouTubeに32本ほど載せましたが、YouTubeの使い方がまた小変更が入っているみたいで、使いにくくていけませんね。(汗)

今回の動画は、こちらに再生リストをご用意しておりますので、連続再生が可能です。

2012年10月27日プチ廃道アタック





広場に続く林道ですが、ここ数年ですっかり荒れてしまい、自分の車では自走では登れなくなってしまっています。

ボディを痛めながら重戦車みたいにゴリゴリ行けばいいかもしれないのですが、「なるべく綺麗なボディでクロカンしたい」ってこともあり、積極的に引っ張ることに。

この動画は、以前静止画像で説明したのと同じ引き方をしているものですが、右側に見える岩を避けるために向かって左側に一旦引っ張り上げておいてから、揺り返しを使ってフロントを向かって右に流して通過。

僕のウインチングは、「難所を真っ直ぐ引破」というより、こんな感じでピンポイントで使うことが多いので、「横引き」とか「斜めに引く」ってことが極めて多い。

ただ、まともにガリガリ引いたのではウインチも、ワイヤーもフェアリードももたないのは分かっているので、基本的にトルクアシスト重視、ウインチはテンションを張る程度という使い方が多い。






綺麗なフェンダーが邪魔してどうしても斜面に張り付いて登れなかったため、ウインチで引破。





レの字溝になった斜面を登ろうとしたら、斜面の上の方に投棄されていた金属製の柵か何かがフロントウインドの窓枠にヒット。

後ろに下がると被害が拡大しそうだったので、引破。





ここは通称「ムーミン谷」ですが、「自走では無理」と判断して、さっさとウインチで引破。

最後にここを走ったのは7年ほど前だったが、当時細くて使えないと思っていた木が明らかに太くなっていて、複数アンカーが必要じゃなくなっていたのが笑えた(w






17時を過ぎたので大急ぎで帰路についてますが、登るのに苦労した廃道なら、当然帰りも苦戦することに(w

リアにはアルミプレートを張り巡らせているのでこの手の斜面なら多少ゴリゴリ擦っても大したことはないのだが、なるべく綺麗にしておきたいってこともあり、まずはシングルラインで斜めに牽引。





フロントだけ斜めに引っ張ったのではリアのオーバーハングがさらに食い込むので、滑車を使ってボディ全体を横方向にテンションをかけながら前後揉み出ししつつ、斜面から車を引き離す作戦。







あっという間に真っ暗に・・

この時期は日が暮れるのが早いので撤収時期を間違えないようにしないといけませんね。



■今回のクラックマンのウインチングの様子

これはムーミン谷



う~ん、徹底的に引っ張ってたのは自分だけか・・・

廃道アタックは楽しい?!


■ボディは消耗品?!


この趣味をしていてよく思うのが、「ボディは綺麗なままで遊べないか?」ってことですね。

ヨンクを使ったクロカンという遊びは、他のモータースポーツと違いがあることが非常に多いのだが、ボディへの考え方も他のものと比べるとかなり違いがあるように思う。

例えば、峠を攻めている連中でボディがグチャグチャなままで攻めている人ってどのくらいいるのか?だが、まぁほとんどいないだろう。

(たまにバンパーが少しの衝撃ですぐ取れるようになっていたりはするみたいですけどね)


特に廃道アタックや、ヘビークロカンをしている車の大半が多かれ少なかれの凹みを作っているのを見ても、いかに四駆のクロカンという遊びがボディへのダメージを受けやすいかわかると思う。


僕も以前は、「ボディはバンパーの一部や」とか、「ボディは消耗品」くらいにしか考えてなかったし、「クロカンってボディが凹むもの」くらいにしか考えてなかったので、正直、ボディを痛めることに関しては何も考えていなかった。


ただ、今から5年ほど前、つまりクロカンを一時引退する少し前くらいから少しずつ考え方を変え、「なるべくボディを労わる走り方に変えてやろう」というものになってきている。

理由はいくつかあるのだが、そのうちの1つが「今までの凸凹なボディだと車検が通らなくなってきた」という理由。

もうひとつが、「やっぱりあまりにも見栄えが悪い」という当たり前の理由(笑)


今の僕の車の前半分のボディは前半分の部分を探すのが難しい位になっているのだが、リアのボディ側面にアルミの波板を張った時点で、フロントフェンダーを知り合いの車からもらってきた比較的凸凹の少ないものに交換、

ここからはなるべく凹まさない走りにしようということにしました。


今のところ、うちに転がっている帰国子女のランクル80はクロカン(それも廃道アタック)には使う予定はないのだが、もし使うのであればどうするか?というような視点で以下の記事を書いてみたいと思います。



■廃道アタックは楽しい


「廃道」にもいくつか定義があると思うのだが、ここで私が言うのは進入することに対して特に規制されているところではない場所や道ということにしておきます。

廃道アタックは楽しい。

僕も特にクロカンを始めた当初は、岡山県の南部にも進入出来る廃道が多く残っていたということもあって、よく友人と数台とか単独で「昔、道だった道」に突っ込んで行ってはハマったり延々とバックして遊んでいたものだ。

実は、長男が生まれる1日ほど前、会社の近所にあった山の中に廃道を見つけたので自分一台だけで突っ込んでみたことがあったのだが、

当時乗っていたランクル60にはウインチなどのレスキュー用品が全く無かったということもあるのだが、「ちょっと」のつもりが6時間も抜けるのにかかり、大汗が出たことがあった。


関係ない話だが、僕のオヤジはゴルフに狂っていた。

そして、僕が産まれた日にもゴルフをしてて帰ってこなかったそうなので、未だに僕に恨まれている。

「自分はそんな父親にはなりたくない」と思っていたので、無事に帰れたときは心底ホッとしたものだった。(あとになってごちゃごちゃ言われたくないし)


これは良くない例だが(汗)、まだ誰も轍をつけていないところに轍を残すのは楽しい。



■廃道アタックでの装備と車の仕様


”廃道アタック”というと、ジムニーの独壇場のように思われるかもしれないが、かれこれ20年近くランクルだけでクロカンをしている人間からしてみれば、ランクル等の重量級は重量級ならではの楽しさってのがあると思っています。


まず、重量級で廃道アタックをする際には装備にも気をつけねばならない。

普段持ち歩かないが、エンジンチェーンソーや草刈機、ツルハシやジョレン、クワなどの土木用道具、グランドアンカーや大ハンマー、溝や穴を塞ぐのに使うグレーチング(アルミラダー)。

あと、溶接用のケーブルと溶接棒、手袋やカバーなどもあると心強い。

ウインチやチルホール、ハイリフトジャッキなどはもちろん標準装備だ。

(重いチルの代わりに、8mくらいのチェンブロやハンドウインチなどで代用することも可能)

ジムニーなら数台に分乗させねば載らないような装備も一台で載せれてしまうのが、重量級ならではのメリットだ。


台数は2~3台がベスト。

スキルと装備、改造などが廃道向きになっていない者がついてくるのは邪魔になるので、そういう人(車)は、同乗者としての同行は許すが車を出すのは遠慮してもらう。


車の改造でいうと、ウインチは必須。

応用範囲の広さでいうとPTOより電動ウインチの方が望ましいのだが、めちゃくちゃドロドロの道を延々と引っ張らねばならないような時は、PTOウインチの持久力は捨てがたい魅力があることは間違いない。


ウインチがない車をどうしても同行させねばならない場合は、前後を経験値と戦闘力を兼ね揃えた車で挟むと良い。

(これはスノアタも同じですね)


車のプロテクションは基本的にガッツリしておいた方がいいが、車をヘコましても大丈夫という覚悟や経済力がある人なら問題なし。

コース主体の人があまりやってないことでいうと、腹下の強化ってのが結構重要。

リーフ車は元々腹下の強化が出来ている場合があるのだが、結構気をつけねばならないのはコイル車(もちろんハチマルも)

リーフの場合は、走破性を邪魔するリーフがタイロッドやショック、ブレーキホースなどを保護してくれる場合があるので、割と無改造でもゴリゴリとゴリ押し が出来るのだが、コイル車は、下に何が潜んでいるか分からない廃道では結構、細かい強化をしておくほうがよい場合がある。

例えば、フロントホーシングの前にむき出しの状態になっているドラックリンク。

アメ車などで改造している車を見てみると、ホーシングから保護するアームが伸びていたり、エンジンのオイルタンクの下にガードが出ていて、ドラックリンク周辺をガードしていることもあるので、それを見習ってガードを追加してみるとか。

ただ、ひとつ気をつけねばならないのが、ガードのやりすぎで重くし過ぎないこと。

どうしてもブツケて壊れてしまって困る部分だけ部分的に改造を施していった方が良い場合が多い。


あと、「タイヤをはみ出させるかどうか」についてだが、これについては色々な意見があると思うのだが、私はクロカン初心者のうちから派手にタイヤをはみ出させるのには反対だ。



■タイヤのサイズとオフセットは慎重に考えよう


車などによっても条件は少し違ってくるので、これは程度問題とかイロイロあるとは思うのだが、敢えて「ランクル」に限らせてもらって言わせてもらうと、70系と80系では明らかに70系の方が、「ハミタイ」(ハミ出しタイヤ)についての耐久性が劣っている。

これはそれぞれのノーマルボディ(オーバーフェンダーを付けていない状態)でのタイヤのオフセットを比べてみればわかるのだが、

ランクル70系が”0”なのに対して、80系が”+20”である。


つまり、ランクル70系に比べ、80系は元々20mm、ノーマルボディの側面に対してホーシングそのものが長いということが言える。


80系の脚回りのメンテなどをしているとよく思うのだが、細かいところで70系(前後リーフのPZJ/HZJ7*)に比べて進化しているなぁと思う点が多々ある。

先程のプラスオフセットの件もそうだし、フロントのブレーキホースの取り回しも、ランクル70系がドライブシャフトなどを外すとき、ブレーキホースも外してしまわねばならないところが、80系では取り外さなくても可能な点、

ホーシングについているドライブシャフトのシールも、70系のものより一回り大きいタイプのものが付いていたりするので、明らかに耐久性は上だと思われる。

(ちなみにリーフの70系でも、BJ系のものよりPZJ/HZJ系のものの方がシールが一回り大きいが、フロントコイルになった70系や80系の方がさらに大きい)


僕が、タイヤのオフセットについていろいろ言っているのは、車の耐久性についても極端に外に押し出しているのは不利だということもあるのだが、なんといってもウインチングなどで不利になることが多いからだ。


ちなみに、私は今のところ34吋のスワンパーを履くためにフロントタイヤに30mmのスペーサーをかませてフロントのトレッドを60mmほど拡大させているのだが、本来あまり好ましいことではなく、「仕方なくギリギリ広げれる処まで広げているだけ」という感じが強い。


確かに、トレッドのワイド化によりボディへのダメージは減る可能性が極めて高いのだが、安易にトレッドを広げてしまうと(特にフルサイズの80系などは)ただでさえ入れる処が少ないのに、さらに自分で自分の首を絞めかねないことが多いように感じる。

70系は基本的に4ナンバーサイズ(普通車では5ナンバーサイズ)のボディサイズなので、自分的には「ジムニーで入れる所なら自分の車でも押し通せる」くらいに思っているのだが、

さすがに80系やサファリのY60/Y61などでは、「う~む、ちょっと無理ちゃうか?」って思うような場所も珍しくない。

ただ、重量クラスのワイドトレッド車も、重心の低さや、ジムニーでは落としたら転倒してしまう溝や穴などでも安心して落とせる許容量の大きさみたいなもの もあるので、一概に「重量車だとかワイドトレッド車は廃道アタックが苦手」だとは思ってないのだが、ウインチングなどでワイドトレッド化が悪影響を及ぼす ことがある。


では、具体的にどんな時にウインチングなどで不利になるのか?というと、こんな時だ。



溝の底にフロントタイヤがある処からウインチで強引に前進させている動画ですが、巻き取り初めてすぐ、タイヤの向きが変わっているのがわかるだろうか。

これは右側のタイヤのある場所が、抵抗が強かったためタイヤが引っかかり、ワンダリング(?)でタイヤの向きが強引に変わっているのだが、

タイヤが引っかかりの強いスワンパーだという理由もあるのだろうが、やはり30mmのスペーサーでタイヤを外に出しているのが、この現象をより強くさせてしまっているように感じる。

考えてみればこれは当たり前のことで、ランクル70系はもともと先ほども言ったが、キングピンの中心軸が、タイヤの内側に寄っているので、ワイドタイヤを 履いたり、今回みたいに引っかかりが強く、さらにオフセットを外に押し出す(マイナスオフセット)スペーサーをつけたりすると、この現象が顕著になってし まうわけだ。


今回の動画の場合は、ウインチワイヤーを送り出しながらリバースに入れて前後にゆすることで、タイヤの向きを中立状態に直すことが出来たが、

パワステがあるからといって、ゴリゴリこじるようにステアリングを切っていたらいくら頑丈な操舵系を持つランクルと言えど、数年しかもたなくなってしまう。


現に僕の車も一度、ロッドのジョイントが壊れる現象を起こしたこともあり、据え切りや、ステアリングをこのような状態で無理にコジるような操作はしなくなったのだが、

34インチのスワンパーと30mmのスペーサーという、かなり廃道アタック用としては”控えめ”な僕の車であのくらい、ステアリングを引っ張られる状況が 起こるのであれば、さらに太いタイヤを履き、さらにタイヤの中心軸とキングピンとの軸との差が大きい車だとすさまじいワンダリング(地形にタイヤがひっか かり、そちらの方向にタイヤの向きが強制的に変えられる現象)が起こるんだろうなあ?と思う。



■ワイドトレッド化は慎重に


そういうわけで、特に廃道アタックでは、ハミタイというかワイドトレッド化は「そこそこ」が良いように感じる。

理由は先ほどもいったように、

1.ワイドトレッド化によって物理的に入れる場所が減ってしまう恐れがある
2.ウインチングで操舵系(特にキングピンベアリング)を痛める可能性がある
3.廃道の真ん中で、もし操舵系が壊れてしまうとかなり面倒
4.タイヤの大径化や重量化に伴い、CVやデフなど駆動系を壊す可能性が高くなる


このようなものがある。


もちろん、タイヤの大径化や重量増はCVジョイントやデフに過大な負担をかけてしまうので、山の真っ只中で「ベキッ!」と言わせてしまうと、自分もそうだが同行者にも迷惑をかけてしまうので、

コースなどを走るよりさらに「壊れ難い仕様」にしておくことをお勧めします。


私の車の場合は、前後ともオーバーフェンダーは付けてなくても警察に止められることはない(ほとんどハミ出してない)のだが、廃道をアタックしようというのであれば、もう少し外にタイヤを出しておきたい処だ。

というのも、後ろ半分はアルミの波板などを全面に貼り付けているので少々、地形に干渉してもどうということはないのだが、フロントフェンダー周りやドアは なんら補強やガードを入れてないのでもう少しタイヤを外に押し出し、干渉する可能性を減らしたいということもあるからだ。



■廃道アタックのボディの補強について


僕的に一番良い「補強」は、ランクル70系のように独立したフェンダーなどを持っている車の場合は、「廃道アタック用ボディ」を持っておくことだと思う。

僕の70幌の場合は、フェンダーの着脱が非常にカンタンになる工夫をしているので、「極めてイカツイ廃道」を攻めにいくのであれば、庭に転がっているボコボコのフェンダーに付け替えて行くだろうと思う。

当面、そんな予定はないので今の比較的綺麗なフェンダーで「なるべくブツけない運転」を心がけているのだが、

廃道アタック用の車であれば、最低でもボディの四隅はガッチリと補強し、ドアやサイドシル、前後バンパーは地形などに応じて強化していく、という感じがいいんじゃないか?と思っています。


これは余談かもしれないが、廃道などをガリガリとアタックする車ではウインチングなどの機会がすごく多いので、ボディの上に乗って移動するということも考えた作りをしておく必要もある。

たとえば、軽量化の代名詞みたいなFRPボンネットだが、廃道だけで考えると一概に良いことばかりではないことをご存知だろうか。


ウインチングをしている時を考えてもらえばわかるが、テンションを張ったワイヤーを避けて、車の後ろをグルッと回らねばならないことが非常に多いのだが、後ろがふさがれている場合、車の上を通って反対側に移動しなければならないことがある。

そのとき、運転席の中を通るのは極めて面倒なので、ボンネットの上を通って反対側に渡ることがあるのだが、このときFRPボンネットだと強度に不安があるので渡れないことがある。

(ジープなどフロントウインドを前に倒せる車はFRP化するとフロントウインドを倒せなくなるという理由がある場合も多い)


実際、私と同じ考えで敢えてFRP化を先送りしている人もいるということを覚えておいてもいいと思います。


あと、廃道アタックでいうのなら、有効な装備としては、ブッシュワイヤーやボンネット上部やフェンダー上部へ滑り止めの波板を貼る、というものがある。


ボンネットの先端からウインドーの上部に張られているワイヤーがブッシュワイヤー


私としてはパイプフェンダーなどをボディの外に張り巡らすことは、なんとなく大げさ過ぎるので好かないのだが、それを言うならアルミの波板をボディ側面に張りまくるのも違いはないかもしれない(笑)なので、そこは個人的な好みでボディの補強は考えればいいと思う。



■今後は有料コースを中心にしたクロカンへ


私は最近、廃道アタックやV字ばかりが延々続くような、いかにもボディを損傷しそうな場所へ入ることはほとんどなくなったが、以前は「廃道専用車」くらいの勢いで攻めていたものです。

当然、ボディはグシャグシャ、会社でも「お前、おかしいんじゃねぇか?!」と上司から再三、注意をうけ、しまいにゃ左遷されるしまつ(汗)。


最近では、廃道を探して攻めに行くことはめったになくなり、主に有料のコースを中心に走りに行くようにしているし、有料コース以外の地名を特にネットで明かすつもりは一切ない。

理由は、「有料コースでのクロカンというものを今後はメインのものにしていきたい」
と考えているからだ。


なぜ、このような考え方を持っているのかというと、廃道というのはいつ、突然、入れなくなるかわからないという不確定要素が大きいということがあるからだ。


実際、僕が走り始めた20年前に入っていた廃道で、今でも通っているところは1つもない。


また、廃道といっても、このインターネット全盛期にその存在を完全に隠し通せるとはとても思えない。

たまにだが、入ってはいけない道に無理やり入ろうとしている画像などを自慢げに公開しているのを見つけることも非常に多くあるのだが、そういうのを見かけ るたびに、”四駆によるクロカンをしている人間のモラルの低さ”を思い知らされることも相変わらず多いし、そういうことを今更、指摘してギャアギャアと無 様な論争を起こすつもりもない。

(自分も5年ほど前に、一度そういう四駆業界に見切りを付けて見放した経験があるので)


”四駆によるクロカン”という趣味を少しでも恒久的なものにしていくためには、確かに廃道アタックは楽しいのだが、少しずつそこからは引退し、”有料コー ス”という大手を振って走っていることを公開できるようなポイントでのクロカンに切り替えていく必要があると思っている。

僕が、自分の動画などを大量公開しているのも、「なるべく有料コースでのクロカンというのを一般化させたい」という想いがあるからです。


ただ、まぁ、いくらきれいごとを言っても、有料コースに面白みがないのではお金を払う価値はないので、コースの運営側も可能な限り、コースの使用者の要望を満たすコース造りなどを考えた方がいいだろうし、

コース使用者側も、なるべくなら積極的にコースを楽しくするための工夫や協力などもしたほうがいいと思いますね。


じゃないと、「車だけクロカン仕様にしても走る処がない」という本末転倒な事態にも陥りかねない。

実際、そのような地域も日本全国で広がりつつあると思うので、有料コースを近所で持っている処はそこを失わないように協力するとか、

ない地域なら、有料コースを作る協力などをしてもらえたらと思っています。

2012年10月23日火曜日

雨の日のクロカンテクニック


雨の日のクロカンテクニック

本来なら、グランドアンカーの記事を書きたいと思っているのですが、今日は雨が降っているってこともあるのと、画像がないので、今回は前々からまとめたいと思っていた雨の日のクロカンテクニックについてお話したいと思います。








■雨の日は全く別

僕は以前から、「雨が降ったら走りに行こう」って思うことが多くあります。

理由はカンタンで、同じ場所を走っていても雨の日は晴れの日と全く違うからです。


僕がこういう風に思うのは、「岡山」の風土にもかなり影響を受けていると思います。

なんせ、岡山県南部は、香川県と並んで日本全国で最も晴れの日が多いことで知られているからです。


ちなみに岡山県のキャッチコピーに「晴れの国 岡山」ってのがあります。


ということで、岡山県の南部に住んでいると、自然と雨の日の経験値は少なくなるのです。

それに追い討ちをかけるのが、走ることが出来るポイントの地質の問題。

岡山県の東部や兵庫県の方面に走りに行くと、石灰質の場所が増えてきたり、北部に行くと、甲子園の土でも知られている「真っ黒な火山灰」が増えてくるので、雨の日はビックリするほどグリップしなくなるのですが、

岡山市内唯一のコースのスポーツランド岡山や、以前は走れた神石、広島県のテージャスランチ、広島市のタマダなどは基本的にマサ土なので、雨の日も他の地質と比べたらそれほど極端に走りにくくならないんです。

ちなみに神石というのはこんな場所

その1
その2

見事なマサ土ですね(^^


マサ土の特徴としては、晴れていたらほぼ最強のグリップ力を発揮してくれるということは間違いないのですが、雨の日、泥状になったとしてもそれほど重くならないとか、タイヤの溝に詰まった泥のハケが元々かなり良いなどというものがあります。

ちなみに英語で「Buckshot」(バックショット)のことをショットガンの玉の中でも大粒の散弾(鹿玉)のことを言いますが、四駆用語ではタイヤで吹き飛ばした泥の塊のことをいいます。


マサ土は雨の日も、他の土質や岩などが露出している地形と比べたら比較的グリップ力もトラクションも発揮させやすいのだが、それでも舐めてかかると自殺行為になります。


以前、CCV誌でジオランダーのことを「あれはオールテレーンだ」と評したことがあったが、確かに雨の日に履いているのを観ていると、トラクション、グリップともにかなり不足していることに気が付く。

「雨の日」は、晴れの日とは全く違うので、走り慣れている場所ではなんでもないことが、雨が振った途端に全く出来なくなったり、危険度が急に跳ね上がることも珍しくない。

だから、雨の日に走るのであれば、タイヤも含めて装備など全て万全の準備をすることから始めないといけないと思っています。




■雨の日:運転面での違い(ヒルクライム)

ディーゼルの重量級の四輪駆動車の場合、グリップの良い日は基本的にクローリング中心だと思っているのですが、雨の日になるとクローリングにこだわっていたのではお話にならないことが多くあります。

ですので、難所を走る場合は基本的にローセコ(Lowレンジと2速)を多用し、タイヤをぶん回すような使い方をすることになります。

雨の日のグリップ力の低下や、トラクションの低下は、車の重量がより重い方が顕著になります。

私のクロカンは自走力に頼らないので、実際のところあまり問題はないのですが、重量物(レスキュー用品)を大量に載せすぎると、晴れの日以上に、雨の日はトラクション不足などに悩まされることになります。


走り方ですが、私は特に雨の日は一回で走破させることにはコダワリません。

最初は、ローロー(Lowレンジと1速)でゆるゆると這わせておいて、少しずつ前進距離を伸ばしていく・・・という走らせ方をします。

例えば、全長20mほどのヒルクライムの場合は、最初のアタックでは3m、次は4m、その次は5m・・・という風に少しずつ到達距離を伸ばしていくわけです。

当然、登った分は必ずバックダウンしなければいけないため、重要度というか注意点は「バックダウンするとき」ということになります。


最近の雨の日のクロカンで言うと9月30日のスポーツランド岡山でのクロカンがありましたが、例えばこのシーン、皆さんはどう思いましたか?



実はこの数台前、SJ30がこのヒルクライムでリアタイヤが足払いをされて転倒しているのですが、


重心の低いSJ30でも転倒する可能性のあるヒルクライムです。


雨の日、なぜ怖いのかというと、普段なら完全グリップで降りてこれる処もグリップが全く効かないので、勢いがついてバックしてしまうため、晴れの日ならな んでもないギャップや段差でもこのように引っかかったり、派手に落ち込み、足払いを受けたみたいになり「コロリ」といくことが多いからですね。

ですので、僕がこの斜面を登るのであれば、このギャップがあるところまでなら何度でも安心して攻めますし、バックダウンもします。

ですが、このギャップがあるところを境に、上では絶対舐めた走らせ方はしませんね。


以前のブログでも書いたことがあるのですが、僕が運転しているとするなら、坂の上でたとえ車が止まっていたとしても、絶対車を斜面の途中、(しかもこのギャップがある上)で止めたりはしませんね。

ですので、以前のブログでも「オカマを掘ってもいいくらいのつもりで登りきれ」って言っているわけです。

重量車の場合、転倒で被る被害は軽量車の比じゃないですから。

慎重になるのは当然です。

(これはおそらくですが、僕の車なら溝の底にタイヤを落とすラインでバックダウンしてもコケないと思いますけどネ)


Jr.の動画を見てもわかりますが、上までクローリングで登れていたとしても、再発進ではまったく進めなくなる、ということが度々起こるのが「雨の日のヒルクライム」の怖いところです。


■グリップ力とトラクションの違いを理解しておこう

雨の日なら、さきほど登場した小さな溝でも十分過ぎるほど遊べますね。

まだ、このヒルクライムは難易度が低いですが、激しい場所になると上から下までこれくらいの段差の溝が延々続くヒルクライムなども珍しくありません。

そういう場合は、車高を上げ過ぎていない僕のような車はバックダウンも比較的同系車種を相手にした場合、有利になることがあります。

雨の日は、圧倒的にタイヤの優劣が出易いことは多くの方が体験済みだと思います。

晴れの日は、極端な話、スリックタイヤですら走れます。

しかし、雨の日は路面の泥をハネ飛ばしたり、路面にタイヤの突起物やブロックを積極的に突き立てることでトラクションやグリップ力を発生させるので、タイヤのパターンや溝の深さなどが非常に重要となってきます。


余談かもしれませんが、「グリップ」と「トラクション」の違いを説明しておきます。

グリップ力とはタイヤが地面に接地する際、滑らずにグリップを維持できる限界の動摩擦抵抗力のことを言うのですが、

トラクションというのは、車輪が路面に対して発生させる、牽引(駆動)力 すべてのことを言います。

つまり、「グリップ力」×「タイヤの回転数」=「トラクション」といえるのかもしれませんね。

(間違ってたらゴメンなさい)

ただ、これが単純にこの計算式で説明できないのが「泥ハケの性能によるトラクションの違い」ですね。


たとえばマッテレや、先ほども言ったジオランダーのようにシーランド比が低い(溝の面積が狭い)タイヤは、泥ハケに問題があることが多いので、グルッと一 周タイヤを回してきても、相変わらずタイヤの溝の中に泥が残っていることが多く、急激にグリップ力を失い、それに伴いトラクションも減少する・・・という 現象が起こります。


それに対して、スーパースワンパーなど「トラクションタイヤ」と呼ばれているタイヤは、泥ハケを優先して設計されたものは、グルッとタイヤを一周させると溝の中の泥がすべて排出されて次に地面に接地する際には「まっさらな状態」になっていることが多い。



特にトレッドの中央付近に近い部分のシーランド比が高いタイヤの方が、接地したトレッド全面に比較的にまんべんなく圧力がかかります。

「トラクションタイヤ」と同じククリで呼ばれているジープサービスの性能がイマイチなのは、このトレッド面の中央付近のシーランド比がやや低いからです。



本来なら、大きな溝が多いタイヤの側面に強い圧力をかけねばならないのが、タイヤの中央付近に大きな溝がないため、タイヤの中央部の泥ハケがほとんどな く、中央部の面積が増えるため、効果的にタイヤ全体に圧力を分散できないため、「トラクションタイヤ」と言うにはやや物足りない性能になってしまっている わけです。


性能としてはふた昔前のジープサービスを語っても仕方がないので、話を元に戻しますが、雨の日のクロカンは「グリップ力をいかにして得るか」ということと、「トラクションをいかにして稼ぐか」ということを考える必要があります。


■雨の日ならではの走り方

たとえば、雨の日ならではの走り方としてはこんなものがあります。

最初から積極的にタイヤを空転させ、路面に残った泥を排除させることを狙い、2度目の走りで一気に通過させるような走らせ方。

これはヒルクライムなどで比較的多く使います。

ただ、ひとつ注意せねばならないのが、「登れないポイントで余計に掘り返さない事」です。

泥を跳ね飛ばすからだ、と言っても、それは次走る際に、坂の途中でもトラクションをなるべく多く稼ぐためなので、肝心な所で自分のタイヤで大きな段差を作ってしまうとそれが原因で登れなくなることも多いのです。

ですので、坂の途中では比較的、派手にタイヤを空転させながら前進させるのですが、肝心なポイントまで登ってきたらアクセルをオフにしてタイヤと車は慣性だけで当てるのです。

上級者になると上手に当てることで、残った段差などをタイヤでならしながら次に進む時のために耕しておいたり、

何度も前後に車を往復させながら、段差があるところなどで敢えてタイヤを空転させ、ギャップをなだらかにして次のアタックに備えることもありますね。


これなどはスノーアタックなどで比較的一般的に使われている手で、トラクションの悪いリーフ車などでフルアクセルで車を前進させようとすると、ホーシングがジャダーを起こすことで、路面を凸凹にさせやすい。

そこで、次のアタックに備え、わざと凸凹になった路面の上を前後に往復させることでなるべく平にならして、次に走るときに加速させやすくする。


後、雨の日に限らずかもしれないが、タイヤの向きを車に対して真っ直ぐにさせるだけでより多くのトラクションが稼げることが珍しくない。

泥の中や、ぬかるんだ斜面を走っているとき、ステアリングを右か左に切った状態であがいている人が、

タイヤの向きを真っ直ぐにしてやり、アクセル操作に集中した途端に前進出来るようになることは珍しくない。

要するに、タイヤはどちらかに切っているだけで車が動く抵抗になっているのだ。

「ステアリングは真っ直ぐにさせている方が車は前進させ易い」ということは、非常にいろんなシーンで活きてくるので必ず頭の片隅に入れて走った方がいいだろう。

(もちろん、牽引時もタイヤの向きが真正面を向いていた方が少ない牽引力で牽引出来る)


よくトラクションタイヤを履いている人に見かけることに、タイヤのショルダーを効かせようとしているのだろうが、やたらとステアリングを左右に高速に振り回す人がいます。

ソーイングと言われる技で一応、効果はあるのですが、路面を荒らしたり、再現性や確実性があまりない技なので、僕はあまり好きじゃありませんね。


僕はそんな不確実な技を使うよりは、走る度に、その次に走った際に有利になるような布石が打てる走らせ方をする方が好きですね。


あと、雨の日ならではの走りで、かなり上級者向けの技に「ムーンウォーク」と呼んでいる技があります。


■上級者向けの高等テクニック「ムーンウォーク」

これは、正直ここで公開してもいいのか迷う技ではあるのですが、敢えて公開しちゃいましょう。

これは知らずに勝手に使っていることがあると思うのですが、車は後退しているのだが、タイヤは逆に前転している・・・という状況がありますよね。

溝が深いヒルクライムなどで対角線にタイヤが浮きながらバックするときや、路面のミューが極端に低い雪面や雨の日などのバックダウンでよく起こる現象です。

クロカンの基本では、バックダウンするときはバックギアに入れて、タイヤを回しながらバックすること、と教えられると思うのですが、

タイヤをわざとバックダウン中に前転させることで、後退する速度を落とすというかなりの”荒業”です。

これには本当に多くの注意点があり、特に下がった先に障害物があったり、急にグリップが回復されるポイントに差し掛かった際などには、ドライブシャフトやデフなどの駆動系を破損させる恐れがあります。

MT車の場合、「やばい」と思ったらクラッチを切り、駆動を切って路面からの逆向きのトルクと駆動系から伝わる正方向のトルクがぶつからないようにすることは出来るのですが、当然完全に遮断するにはタイムラグが発生することがありますし、

AT車のようにニュートラルに入れても実際にニュートラルになるまではサーボの動作までタイムラグがあるので「やばい」と思った瞬間に操作をしても、もう遅いってことが多いと知っておいた方がいいだろうと思います。

つまり、このムーンウォークという技を使う際には、予め走っている地形を熟知しておき、タイヤが引っかかってしまう前には駆動を切るか、逆にギアをリバースに入れる必要があるわけだ。


■雨の日の走りは、晴れの日の練習の総決算

雨の日の走りは、本当にしっかりとした下見や、走行プラン、繊細な操作、不測の事態が起こった際の反射的なリカバリーなどが要求される。

さらにタイヤの選択、装備の選択、それからそれら装備品などを正しく使いこなせるスキルなども必要となってくる。

もっと細かいところで言うと、雨の日は足元が極めて悪いので靴の選択や、アクセルペダルやブレーキペダル、クラッチペダルが泥で滑らないように細工をしておくとか、ステアリングホイールなども滑らないように工夫をしておいた方が良い場合が多い。

車の操作や装備は雨の日ならではの物も多いが、基本的に雨の日の走りというのは晴れの日、どれだけ濃密な走り込みをしているかどうかで大きく安定性や走破性、できることの可能性が変わってくると思っている。


「晴れの国」に住んでいると、どうしても雨の日に稼げる経験値は稼ぎにくいものなのだが、雨の日は積極的に走りに出てはいかがだろうか?




■おまけ

これにはちょっと笑わせてもらいました(笑